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July 29, 2006

審査指南(=中華人民共和国専利法審査基準) 第二部分 第四章 創造性(抄訳)

3. 発明創造性の審査
 特許出願発明が創造性を有するか否かは、新規性の要件を具備する発明である場合に検討する。

3.1 審査原則
 専利法第22条第3項の規定に基づき、発明が創造性を具備するか否か審査し、発明が突出した実質的特徴を有するか否かを審査すべきであり、同時に発明が顕著な進歩を有するかどうかを審査すべきである。
 
 発明創造性が有るか無いかを評価するとき、審査官は発明の技術規則自身を考慮するだけでなく、発明の所属する技術領域、解決すべき技術的問題及び生み出される技術的効果、発明による貢献を全体として扱い、考慮すべきである。

 新規性での「単独対比」の審査原則とは異なり、創造性の審査時には、1件又は複数件の技術中の異なる技術的内容を組み合わせ一緒にして、保護を求める発明と対比し評価を行う。
 
 もし、一項独立請求項が創造性を具備していれば、その独立請求項に従属する請求項は創造性の審査をしない

3.2 審査基準

3.2.1 突出した実質的特徴の判断
3.2.1.1 判断方法
(1)最も近い現有技術の確定
(2)発明を識別する特徴と発明が実際に解決する技術的問題の確定
(3)保護を求める発明が本領域の技術者から聞いた簡単な意見に対する判断
3.2.1.2 判断事例

3.2.2 顕著な進歩性の判断

4.幾種の特徴的な類型発明の創造性判断
4.1 開拓性発明
 全てが新しい発明は、現有技術に比し、突出した実質的特徴と顕著な進歩があり、創造性を具備する。

4.2 組合せ発明
 (1)明らかに分かる組合せ
 組み合わせられる各要素の効果が、そのまま組み合わされて、効果の総和として発現するだけの発明等は、創造性がない。
 (2)明らかには分からない組合せ
 効果の総和を越える効果が発現する発明は、突出した実質的特徴と顕著な進歩があり、創造性を具備する。

4.3 選択発明
 現有技術中の公開された広範囲中に、ある目的をもって要素を選択し、未提案の狭い範囲にした発明
 (1)既知の可能性の中から選択又は相同可能性の技術方案から選択したものである場合、予想できない技術的効果をもたらさない場合は創造性を具備しない。
 (2)可能な有限な範囲内から具体的サイズ、温度範囲又はその他パラメータを選択し、これら選択が本技術領域の技術者が通常採る手段によって行き着き且つ予想できない技術的効果をもたらさない場合は創造性を具備しない。
 (3)現有技術中から直接論証して(結論を導き出し)選択できる発明は、創造性を具備しない。
 (4)選択によって、予想できない技術的効果をもたらす場合、突出した実質的特徴と顕著な進歩があり、創造性を具備する。

4.4 転用発明
 ある技術分野の技術を他の技術分野に転用した発明
 (1)類似技術分野又は相近技術分野の間で転用が行われた場合で、且つ予想できない技術的効果をもたらさない場合は創造性を具備しない。
 (2)予想できない技術的効果をもたらした場合又は該技術分野で到底解決できなかった課題を克服した場合には創造性を具備する。

4.5 既知物質の新用途発明
 (1)既知物質の既知の性質を利用した用途発明は創造性を具備しない。
 (2)既知物質の新規性質を利用し、且つ予想できない技術的効果をもたらす場合、この種の用途発明は突出した実質的特徴と顕著な進歩があり、創造性を具備する。

4.6 要素変更の発明
4.6.1 要素関係改変の発明
 現有発明の形状、サイズ、比例、位置、作用関係などを変えた発明
 (1)要素関係の改変によって効果に変化が無い又は、その効果の変化が予想できるものであるとき、発明は創造性を具備しない。
 (2)要素関係の改変で予想できない技術的効果をもたらす発明に至った場合は発明は突出した実質的特徴と顕著な進歩があり、創造性を具備する。

4.6.2 要素代替の発明
 既知物質又は方法の一部要素を、他の既知要素に代替した発明
 (1)ある効果を持つ又はある技術的問題を解決するための既知手段を代替した結果、やはり同じ効果または問題解決がなされ、予測できない技術的効果がもたらさなければ発明は創造性を具備しない。
 (2)予想できない技術的効果をもたらす発明に至った場合は発明は突出した実質的特徴と顕著な進歩があり、創造性を具備する。

4.6.3 要素省略の発明
 既知物質又は方法中の一要素又は複数要素を省いた発明
 (1)一要素を省くことによって効果がなくなった場合は創造性を具備しない。
 (2)一要素を省いても、元の効果全部を依然保持し、又は予測できない技術的効果をもたらす場合は、発明は突出した実質的特徴と顕著な進歩があり、創造性を具備する。

5. 発明創造性判断時のその他因子の判断
5.1 人々に渇望されていたが永く解決できていなかった技術的難題を解決した
5.2 発明が技術偏見を克服した
5.3 発明が予想できない技術的効果を取得した
 質的効果の変化と、量的効果の変化とがある。
5.4 発明が商業上の成功をおさめた
 発明自身によって商業的成功をおさめていることが示されれば創造性がある。しかし、他の要因で商業的成功をおさめている場合は創造性判断の根拠にできない。

6.創造性審査時に注意しなければならない問題
6.1 発明完成までの過程
6.2 「事後諸葛亮(事が終わってから偉そうなことを言う)」は避けなければならない。
6.3 予想できない技術的効果に体する考慮
6.4 保護を求める発明に対する審査の進行

以上。

(弁理士 菊間 @ 特許事務所)

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