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September 14, 2007

米国特許新規則に対するTIPS(私案)

1.クレームされていない発明は分割出願できない。継続出願となってしまう。将来的にクレームアップする可能性のあるものは、当初出願からクレームしておくことを考慮するのがよい。

2.クレーム数が制限を超えざるを得ない場合は、限定要求案(SRR)を用意しておくことを考慮するのが良い。

3.ESRはフロード認定の要素を孕んでいるので、ESR提出を行うよりは、クレーム削除(限定要求が出ていれば分割出願)を行うことを考慮するのがよい。

4.Patentably Indistinct Claim出願の通知
 発明者毎に米国出願を管理する体制を整えておくことを考慮するのがよい。
 日本出願から優先権主張して米国出願する場合、優先日の前後2ヶ月以内および/または米国出願日の前後2ヶ月以内に、優先日または出願日を持つ米国出願を、相互リンクさせて管理する体制を整えておくことを考慮するのがよい。
 現地代理人に上記相互リンクを知らせておくことを考慮するのがよい。

5.継続出願2回、継続審査請求1回を使い果たした後は、請願書等を付けた継続出願または継続審査請求と、審判請求とが取り得る措置としてある。審判請求の可能性も考慮するのがよい。

6.拒絶理由通知を受け取っている出願で、継続出願、一部継続出願若しくは分割出願または継続審査請求をしようと考えている場合は2007年11月1日以前に行うことを考慮するのがよい。

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米国特許新規則の改正概要 (2007.11.1施行) 改正規則施行の差止判決に対してUSPTOは控訴したようです。

1.継続出願の制限
 A.一の特許出願ファミリーにおいて、 請願書および説明書の提出なしに、
  ①2回の継続出願または一部継続出願
  ②1回の継続審査請求      ができる。
   一の特許出願ファミリーにおいて、 請願書および説明書を提出することによって、
  ①3回目以降の継続出願または一部継続出願
  ②2回目以降の継続審査請求   ができる。

 B.先の出願で限定要求を受けた発明(クレームされた発明)であり、且つ
   審査を受けていない選択されなかったクレームだけを請求する出願を分割出願という。したがって、先の出願でクレームされていなかった発明または限定要求を受けなかった発明をクレームした出願は継続出願である。自発的な分割出願は継続出願である。限定要求が取り下げになった場合、限定要求に反論(traverse)した場合、限定要求が暫定的な場合(例えばgeneric中のspeciesの選択を求められた場合)は事後的に継続出願となることがある。分割出願は当初出願またはそれのファミリー出願が係属中にできる。
 選択されなかった発明を分割出願する前に親出願のクレームから分割するクレームを削除する方がよい。選択されなかったspeciesの分割出願をする前に、genericの審査を完結させておくべきである。分割出願は後述のクレーム数制限の対象となる可能性があるので注意。

   分割出願(新たな一の出願ファミリーとなる。)において、 請願書および説明書の提出なしに、
  ①2回の継続出願または一部継続出願
  ②1回の継続審査請求      ができる。
   分割出願(一の出願ファミリー)において、 請願書および説明書を提出することによって、
  ①3回目以降の継続出願または一部継続出願
  ②2回目以降の継続審査請求   ができる。

 C.請願書等が受け容れられなかった場合は、継続出願の出願日は遡及せず、実際の提出日が出願日となる。
  請願書の可否は、先の出願の審査経過、例えば、継続出願または継続審査請求するより審判請求または上申するべきであるかどうか? 並列または直列に提出された出願の数、適切な熱意を持って補正書・意見書・証拠が提出されたかどうか? などを基準に判断される。

 D.一部継続出願した場合には、先行出願に支持されているCIP出願のクレームを明らかにしなければならない。

 E:継続出願の例
 なお、init.は親出願、cont.は継続出願、RCEは継続審査請求、div.は分割出願、およびw. Pは請願書等を要する場合、をそれぞれ表す。Newptorule1

2回の継続出願は請願書等の提出無しで並列または直列に行うことができる。
3回目以降の継続出願は請願書及び説明書が必要である。
Newptorule2
1回のRCEは請願書等の提出無しで行うことができる。
2回目以降のRCEは請願書及び説明書が必要である。

              
Newptorule3 X,Y,Zがクレームされた出願で、限定要求がなされた場合に、Xを選択し、選択されなかったY,Zを出願するときは分割出願となる。

Newptorule4 分割出願は出願ファミリーが特許庁に係属中に並列または直列におこなうことができる。

分割出願から、2回の継続出願を請願書等の提出無しで並列または直列に行うことができる。さらに1回のRCEを請願書等の提出無しで行うことができる。Newptorule5

2.クレーム数の制限
 A.独立請求項5個で且つ全請求項25個までの出願はESD(審査支援書)無しで審査がなされる。
   独立請求項6個以上または全請求項26個以上のときには最初の拒絶理由通知前にESDを提出しなければ、審査がなされない。

 B.取り下げたクレームはカウントしないので、出願人は最初の拒絶理由通知又は限定要求前に限定要求案(SRR)を提出できる。SRRが受理されると通常の限定要求と同様の効果を生じる。SRRが拒否され、限定要求が出されず、クレーム数が制限オーバーの場合には、クレームを減らすか、ESDを提出しなければならない(審査官の通知から2ヶ月以内)。SRRが拒否され別の限定要求が出された場合は、通常の限定要求に対する応答と同じ(2ヶ月以内に応答)。

 C.特許的に区別できない(Patentably Indistinct)クレームを含む他の同時係属中の出願で請求しているクレームのすべてをカウントする。ただし、発行された特許出願のクレームはカウントしない。
   上記他の同時係属中の出願(少なくとも一人の発明者が共通で且つ出願日または優先日から2ヶ月以内にある出願日または優先日をもつ出願)の存在を知らせなければならない。通知は、現実の出願日若しくは国内移行日から4ヶ月以内または他の出願の最初の出願受理通知の発送日から2ヶ月以内に行わなければならない。
例えば、下記の場合、出願Aの出願人は出願Bの存在を、出願Bの出願人は出願Aの存在を知らせなければならない。
Newptorule6
 実質的に重複した開示があり且つ出願日または優先日が同日である場合は、特許的に区別できないクレームを含む出願であると推定される。この推定に対しては、特許的に区別できるクレームだけしか含んでいないという説明をして反論することができる。また反論せずにターミナルディスクレーマーを提出することもできる。
 また、なぜ2以上の出願に特許的に区別できないクレームが含まれているのか、説明しなければならない。

Patentably Indistinct: 現地代理人に確認したところ、Obviousness-type double patenting standardの概念と同じであろうとのことでした。

 
 D.クレーム数の制限に関して、これら特許的に区別できないクレームを含む出願で請求されるクレームの総数を、それぞれの出願におけるクレーム数であるとして扱う。善良なる十分な理由がなければ、該すべての出願または一部の出願から特許的に区別できないクレームの削除を要求することができる。
 許可通知が発行されたもの、出願放棄されたもの、審判請求したもの、民事訴訟継続しているものは、カウント対象の出願としない。

 継続出願または継続審査請求後では第一回目通知を最後の拒絶理由通知にするという運用を今までどおりに行う。これを妨げるために、最後の拒絶理由通知の後、補正書・意見書または新証拠を提出することができる。
 第二回目以降の通知を最後の拒絶理由通知にすることができる。ただし、NEW GROUD REJECTIONを含むときは除く。
   NEW GROUD REJECTION:
   ①クレームの補正の結果通知が必要となったものでないこと、
   ②最初の拒絶理由通知後に提出されたIDSに基づくものでないこと
   ③ダブルパテントの拒絶理由でないこと
   ④CIP出願のクレームが先行出願でサポートされていることを明らかにした結果として必要となったものでないこと、
   ⑤クレームの一構成がミーンズ・プラス・ファンクションで表される構成であることを示した結果として必要となったものでないこと

 E.審査支援書(ESD)
 審査支援書は最初の拒絶理由通知前に提出する。
 審査支援書には、各クレームの有効出願日の決定;先行技術調査に当ってのクレーム解釈;出願人が掲げた本願発明、背景技術、および最も関連性の高い技術の理解を助けるもの;など、特許性を決定する助けと成る情報を記載する。

 審査支援書には、先行審査での調査状況(US特許分類、調査対象データベース名、調査キーワードとして使ったロジック化学構造式または配列表、調査日を含む。調査状況はクレームの全ての要件(従属要件も含む)について調べたものであること、調査対象はUS特許(US公開特許)、外国特許文献、非特許文献を含まなければならない。)、各クレーム発明に最も関連性の高い技術の文献リスト(非英語文献は翻訳要)、各文献によって開示されるクレーム要件との対比特定、特許性に関する詳細な説明、112条のサポート要件の説明が、含まれていなければならない。

 クレームを補正した結果、既提出の審査支援書の範囲を外れた場合は、または
 既提出の審査支援書に記載した文献よりも関連性の高い文献をIDSした場合は
 追加の審査支援書の提出が必要になる。

 審査支援書が不十分である場合は、クレームが補正され審査支援書が役立たない場合は、出願人に通知がされる。 2ヶ月以内(延長不可)に追加の審査支援書を提出するか、クレーム数を制限内(5/25)に減らさなければならない。

 F.クレーム数削除による手数料の払い戻し
 審査(最初の拒絶理由通知、許可通知、Ex Parte Quayleの通知)前にクレームをキャンセル(Cancel)した場合は、手数料の払い戻しを請求できる。クレームキャンセルの補正書を提出した日から2ヶ月以内(延長不可)に請求できる。取り下げた(Withdraw)クレームについての手数料の払い戻しはしない。
*Ex Parte Quayle:審査官の一方的疑問に対する拒絶理由(クワイル型指令)。先行技術によらない拒絶理由で、審査官が発明の特許性を認めるものの、クレーム等の記載不備を一方的に指摘するもの。

*CancelWithdraw: Cancelはクレームを削除すること。Withdrawは、限定要求なでによって審査の対象から徐外すること、クレームは削除されていない。

 G.特許権存続期間の調整
 クレームの制限に関する1.75(b)の手続を行わなかった場合、存続期間を減らす。

3. 経過措置
 A.継続出願の制限が下記の出願に適用される。
 ①2007年11月1日以降に提出する出願(再発行特許出願を含む。再審査請求は含まない。)
 ②2007年11月1日以降に国内移行する国際出願

 B.下記の出願は、請願書等の提出なしにもう1回継続出願を行うことができる。
 ①2007年8月21日より前に提出した出願(再発行特許出願を含む。再審査請求は含まない。)
 ②2007年8月21日より前に国内移行した国際出願

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 C.継続審査請求の制限は、
 2007年11月1日以降の継続審査請求に適用される。
 2007年11月1日以降の継続審査請求が、該出願ファミリーにおいて2回目以降の継続審査請求になる場合は、請願書等の提出が必要。

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 D.クレーム数の制限は下記の出願に適用される。
 ①2007年11月1日以降に提出する出願(再発行特許出願を含む。再審査請求は含まない。)
 ②2007年11月1日以降に国内移行する国際出願
 ③2007年11月1日より前に最初の拒絶理由通知が郵送されていない出願

 E.クレームの補正を求めない再発行特許出願にはESDは要求されない。

 F.Patentably Indistinctクレームを含む出願に関する扱いは、
 2007年11月1日以降に係属する出願 に適用される。

 2007年11月1日より前に提出された出願については、2008年2月1日または1.78(f)(1)及び1.78(f)(2)に規定の期日のいずれか遅い日までにクレーム制限の基準を満たすようにしなければならない。

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September 09, 2007

米国特許法改正案下院可決

世界で唯一の先発明主義を貫いてきた米国特許法が、先願主義に切り替わりそうです。

これによって先発明主義にならされ、のんびりと出願手続をしていた米国出願人に対して、先願主義国出願人が持っていた優位な点が無くなります。

同一土俵での勝負がこれからはグローバルに行われることになります。

米国の特許制度の大きな転換になると伴に日本の外国特許出願戦略の変更が必要になるでしょう。

上院では、先発明主義支持者の巻き返しによる、大幅な修正があるでしょうから、改正102条が最終的にどうなるか、審議状況は見離せません。

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