権利請求書
専利法26条4項
権利請求書は明細書に基づいて、特許保護を請求する範囲を説明しなければならない。
実施細則20条1項
権利請求書は、発明の技術的特徴を説明し権利保護請求の範囲を簡潔、明確に記載しなければならない。
請求項の分類
静的請求項 と 動的請求項
静的請求項:時間要素を含まない発明 物の発明
動的請求項:時間要素を含む発明 方法の発明
物の発明と方法の発明では、保護範囲が異なる。
物:製造、使用、販売申出、販売、輸入
方法:
①製造方法:使用、方法で直接に得られた物の使用、販売申出、販売、輸入
②作業方法:使用 (単純方法:測定法、配列法、採掘法、運輸法など
エネルギー転換または非物質に関わる法:発電法、熱供給法、通信法、計算法など、)
③使用方法:使用 (用途発明:既知物質の新たな使用)
*製法のクレームでは、中間品と最終品の両方を記載する。
*製法クレームでは、物クレームが規定できないか検討する。
方法特徴による物の限定: 構造的特徴やパラメータで表現できない場合に方法の特徴で表現することができる。但し、方法の特徴で表現された物の発明は、依然として物であるから、その方法の特徴での表現による実質的な限定作用は、物に対してどのような影響をもたらしたかによって決められる。
*方法の特徴によって、従来の物と区別できる何らかの影響作用があったことを明細書等で示す必要がある。
用途特定により物の限定: 例えば、鋳込み用の型と、製氷用の型、型としては同じであっても、型に流し込む物の温度が異なるので、その温度に耐える型であると理解され、両者は区別され得る。
化合物Xと △△用化合物Xは、用途限定によって化合物に何らの影響が生じるわけではないので、両者は区別されない。
用途の請求項(useクレーム)は、方法の請求項に属する。例えば、請求項「化合物Xを殺虫剤に用いる」、または「化合物Xの殺虫剤としての使用」→用途発明
「化合物Xで作る殺虫剤」または「化合物Xを含む殺虫剤」は物の請求項である。
*既知の組成の物質は、方法の発明として出願する。(米国運用)
独立請求項(必須) 従属請求項
独立請求項が最も広く、従属請求項は独立請求項を限定したものでなければならない。
例えば、請求項1「特徴X、および特徴Yを含んだ工作機械」
請求項2「特徴Yを特徴Zに代えた請求項1に記載の工作機械」
この場合、請求項2は独立請求項である。
各請求項は保護範囲を確定するためには、独立に解釈される。各請求項を組み合わせたり、累加したりなどして、権利範囲を請求項によって総合的に判断してはならない。
請求項の構造
前提部分と特徴部分に分けて記載すること(いわゆるジェプソン形式)が好ましいとされている。
(審査官に発明の特徴部分を理解されやすく、審査が促進されるという理由による。)
前提部分は発明の主題または該主題に最も近い従来技術と共通の技術的特徴を明確に記載する。
特徴部分は従来技術と区別される技術的特徴を明確に記載する。
前提部分と特徴部分とが一体になって発明を特定する。
*前提部分の記載に手を抜かない。
前提部分に従来技術と異なる技術的特徴を記載してしまった場合、
審査時の判断では、該特徴が従来技術であるとの誤解を生じさせる可能性はある。
侵害時の判断では、自由技術の抗弁等で影響があるかもしれない。
*他の記載方法も許容されているので、前提部分と特徴部分に分けて記載する必要が無い場合には、米国式の記載方式(構成列挙方式)で記載する方が良いと思う。