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April 28, 2008

中国 権利請求書のサポート要件

・明細書のサポート

 権利請求書の各請求項に記載の技術方案は、明細書に十分に開示した内容により、当業者が、直接的に導出または総括的に導出することができる技術方案でなければならず、明細書に開示された範囲を超えてはならない。

 

 請求項は、明細書に記載されている実施の形態または実施例から概念化して成り立つ。概念化は明細書に開示された範囲を超えてはならない。

〔概念化〕

 明細書の記載を超えないこと、

 実施例、実施の形態から概念化する

 

 明細書に記載されている実施形態に同等なすべての代替方式または顕著な変形方式が同じ機能または用途を具備することを当業者において合理的に予測できるものであれば、請求項の保護範囲を概念化して、同等なすべての代替方式または顕著な変形方式を含むことを許可する。

 請求項の概念化に出願人の推測内容が含まれていて、その効果を予め確定したり、評価することが大変難しい場合は、このような概念化は、明細書の開示範囲を超えていると認定される。

 請求項の概念化において、上位概念化または並列選択化した範囲に含まれる一の下位概念または選択方式で、発明が解決しようとする課題を解決して同様の効果を得ることができないと疑う理由が存在すれば、当該請求項は明細書にサポートされていないとされる。

 例1:

  請求項「高周波電力で物質に影響を与える方法」

  明細書「高周波電力で気体を除塵する」という実施例しか記載が無く、高周波電力で他の物質に影響を与える方法についての説明が無い場合

 例2:

  請求項「冷凍時間と冷凍程度の制御によって植物の種子を処理する方法」

  明細書「ある一種類の植物種子を処理する方法だけしか記載が無い場合、他の植物種子への言及が無く、その処理効果の確定、評価が困難な場合。

 例3:

  請求項「合成樹脂成形物の処理で性質を変える一種の方法」

  明細書「熱可塑性樹脂」の実施しか記載されておらず、熱硬化性樹脂に応用できることについての証明が無い場合。

 上位概念化の例:「気体レーザー器」 ←ヘリウムネオンレーザー器、アルゴンイオンレーザー器、一酸化炭素レーザー器、二酸化炭素レーザー器等

 「C1-C4アルキル基」 ←メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等

 「ベルトコンベヤー」 ←平ベルトコンベヤー、三角ベルトコンベヤー、歯形ベルトコンベヤー

 並列選択化の例:

  「或いは」「と」を用いて具体的特徴を並列する。例:「A,B、C或いはD」

 「A、B、CとDから構成される物質から一種の物質を選択する」

 「A、B、C、D、或いは類似物」の記載は「類似物」が明確でないので、(A、B,C、D)と並列的に記載することができない。

 物の発明の請求項では、機能的または効果的特徴で発明を特定するのは出来る限り避けなければならない。構造的特徴で特定するよりも機能的または効果的特徴で特定することが適当であり、また機能的または効果的特徴の記載が明細書に規定された実験、操作または当該技術分野での慣用手段で直接に確認実証できる場合には、機能的または効果的特徴で特定することが認められる。

 機能的特徴で特定した発明は、前記機能を実施できるすべての実施形態を含むものと解釈される。

 機能的特徴が実施例に記載された特定方式で完成され、明細書に記載されていない他の代替方式で該機能的特徴を完成できることが当業者において知られていない場合、または機能的特徴に含まれる一の他の代替方式で、発明が解決しようとする課題を解決して同様の効果を得ることができないと疑う理由が存在すれば、機能的特徴で特定することが認められない。

 明細書において他の方式に適用できると曖昧に記載していても、当業者がこれら他の代替方式がどのようなものであるのか、どのように他の方式を適用するのかについての記載が明確でない場合は、機能的特徴による特定は認められない。

 独立請求項および従属請求項すべてが明細書にサポートされている必要がある。独立請求項にサポートがあっても、従属請求項にサポートがあるとは限らない。

 方法の請求項についてサポートがあったとしても、物の請求項についてサポートがあるとは言えない。

 技術方案が、出願時の権利請求書に記載があるが、明細書に記載が無い場合には、明細書の補正を認める。

 明細書において、請求項の技術方案と文字的に一致した記載があるとしても、サポートされているとは限らない。

 数値範囲のサポート

 境界値の内側の2点、または境界値の内側と中央の3点を実施形態として示すのが好ましい。

 *通常、請求の範囲を作製し、その説明文書として明細書を作成する方が多いと思うが、明細書を作成し終わった後、この概念化という手続を行って請求の範囲が適正かどうか見直す必要がある。

 見直しの結果請求の範囲が広すぎる場合には、請求の範囲を狭めるか、明細書の記載を補充するかしなければならない。具体的には、実施例を追加するこか、実施例がなくてもその範囲にまで広げることができることを論理的に説明する文書を追加する。

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April 17, 2008

Akira Akazawa v. Link New Technology Int. Inc. 2007-1184 March 31, 2008 CAFC

~権利譲渡は日本法に準拠すべき~

(概要)Yasumasa Akazawa氏の単独発明の米国特許5615716についての権利侵害について、日本法における相続人Akira Akazawaには米国において訴訟する権限が無いとの地裁略式判決をCAFCが取り消し差し戻した。

(地裁)日本法では権利者の死亡によってその権利は相続人に届出なしでも移転される。地裁は、米国特許法によれば、特許権の移転は契約(意思表示)によって行われる。死に臨んでYasumasa Akazawaは権利の移転についての意思を示さなかった。Yasumasaの財産の一部である特許権は管財人による法律文書によって正式な移転手続がなされるまで、Akira Akazawaに移転されない。よって、Akira Akazawaには権利侵害に対して訴訟を起す権限がないと略式判決した。

(CAFC)移転に関して判例法において確立されている。権利の移転は連邦法ではなく、州法に従って判断されてきた。本ケースでは外国法に従って判断すべきである。

米国特許権は、日本法による相続によって移転されているので、Akiraに訴訟を起す権限がある。

以上。

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欧州 手数料の改定

2007年12月20日および2008年4月1日に料金が大幅に変更されました。出願料や出願更新料、審査請求料といった他の出願関連費用も改定によって5乃至10%値上がりとなっています。

最近の円安/ユーロ高で、欧州特許出願のコストは、嵩むばかりですので、料金体系を理解して、コストパフォーマンスを高めることをお勧めします。

○クレーム数による追加料金:
・新料金(2008年4月1日発効)
  クレーム数が15個を超える場合:200ユーロ(クレーム1個毎)
  クレーム数が50個を超える場合:500ユーロ(クレーム1個毎)〔2009年4月1日施行〕
・旧料金
  総クレーム数が10個を超える場合:45ユーロ(クレーム1個毎)

○オンライン出願を行うと80ユーロ減額されるので、現地へは電子ファイルを送るのが良いでしょう。

○指定国数:EPC2000によりEP出願を行うとみなし全指定となりますが、権利取得を希望する国の数についての指定手数料を支払うことで指定国が確定します。国の指定数を絞ることで手数料が節約できます。

 各指定締約国に対する指定手数料は1カ国85ユーロ。
  7倍の額(595ユーロ)の支払により全締約国を指定したとみなされる。

以上。

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April 16, 2008

新規性喪失の例外 ~外国ではどうなる?(2)

カナダ:
 1年以内にカナダ出願 優先権による遡及はないと思われる。米国と同じ運用。

インド:
 1年以内にインド出願 優先権による遡及はないらしい。(パテント 2008年2月号)

オーストラリア:
 特許局認可の刊行物で開示は1年以内にオーストラリア出願 優先権遡及?
 学術団体で開示は6月以内にオーストラリア出願  優先権遡及?

 上記の3カ国は英国法が基礎になっている国なので、遡及有無が不明なオーストラリアは、インドやカナダと同じ運用であろうと思います。

ブラジル:
 1年以内に出願 優先権の遡及ある。(産業財産法12条)

メキシコ
 1年以内に出願 優先権の遡及ある。(産業財産法18条)

この2カ国は、法律で、優先日以前12ヶ月との規定がありました。

韓国:平成18年3月3日施行の改正法で、全ての形態の自発的な公知行為についても6ヶ月間の新規性喪失例外規定になってますが、
 その6ヶ月を1年に延長する改正法案が国会で審議されてます。可決されると、米国同様おグレースピリオドが適用されることになります。

以上。

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韓国 指定期間の延長(2008.7~)

意見書提出などに指定される期間を、1ヶ月単位で無制限に延長できましたが、2008年7月1以降に指定される期間においては、延長は指定期間満了日から4ヶ月以内に制限されます。

4ヶ月を超える延長を必要とする場合はその理由を疎明し、審査官の審査で延長の可否が判断される。

4ヶ月を超える延長が認められる疎明理由が、韓国特許庁ホームページにて告知される予定です。

(情報元:第一廣場特許法律事務所)

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April 07, 2008

中国 権利請求書の簡潔性

 ・権利請求書の簡潔性

 一つの出願に、保護範囲が実質的に同一である2つ以上の同類型の請求項があってはならない。

 請求項の数も合理的でなければならない。

 課題解決の原因や理由を記載する必要はない。商業的宣伝用語の使用はできない。

 *日本法36条5項の「一の請求項に係る発明と他の請求項に係る発明とが同一である記載となることを妨げない」と相反する。

 権利請求書に用いる用語について

 繋ぎの言葉:"consisting of"  vs  "comprising"

  日本語の「からなる」の翻訳  composing

  米国特許解釈におけるcomposingと同様に、日本語の「からなる」は、明細書の記載に応じて、開放的表現であったり、閉鎖的表現であったりする。

  中国語訳する際に、

  開放的表現「を含んでなるもの」なのか

  閉鎖的表現「によって製造されるもの」、「によって構成されるもの」なのかを明確にしておくことが必要。

 開放的表現: 「含有」(包含)、

           「・・を含む」(包括)、

                             「主に・・からなる」(主要由・・組成)

 閉鎖的表現: 「・・・からなる」(由・・組成)

 明細書の記載を引用するクレームは原則不可。

 例えば、「明細書に記載のように・・・」「図に示すように・・・」

 図でないと説明ができない場合は可。

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April 05, 2008

屋号「ARBOR」~あずまや~

私の実家は、屋号を「あずまや」、「東屋」と言います。

商売をやっていたというわけではなく、祖父が「東蔵」という名前だったからだと祖母から聞きました。

英語でARBOR(アーバア)と言いますが、
ARBORには、「木陰の休み場所」、「木本、高木、樹木」、「主軸、回転軸」とかの意味があります。

中国語では「凉亭」「亭子」
亭には、「小さな建物」、「真ん中に当る」、「平衡がとれている」とかの意味があります。

韓国語では「정자」
意味は日本語と同じ「あずまや」です。

大樹の下で安心できる場所になるようがんばります。

どうぞよろしく。

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April 02, 2008

オーストラリアにおける進歩性

2002年4月1日に導入された法改正前における、サブセクション7(2):

 “この法令の目的において、発明は、クレームの優先日前に特許の領域*2において存在する一般常識に照らして、関連する技術分野における当業者にとってその発明が自明でない限り、先行技術と比較して、進歩性を有するものとし、ここで、当該一般常識は別々に考慮されるか、またはサブセクション(3)において言及されているいずれかの情報の種類と一緒に考慮され、各一般常識は別個に考慮されなければならない。”

また、サブセクション7(3):

  “サブセクション(2)の目的において、情報の種類とは:
  (a) 単一の文書においてまたは単一の行為によって、公衆に利用可能となった先行技術情報;および

  (b) 2以上の関連する文書においてまたは2以上の関連する行為によって公衆に利用可能となった先行技術情報であって、これらの文書または行為の間における関係が、特許の領域において関連する技術分野における当業者がこれらを単一の情報源として扱うであろう場合の先行技術情報;

  であって、サブセクション(2)における当業者が、クレームの優先日前に、特許の領域において関連する技術分野における実施に関連するものとして、確信、理解、および考慮したであろうことが合理的に予測できる、情報。”

サブセクション7(3) における“特許の領域において関連する技術分野における実施”とは、その特許の領域において(すなわち、オーストラリア内において)、実際に関連する技術分野における実施が存在する必要があるという意味である。

2002年4月1日の法改正により、“特許の領域において関連する技術分野における実施”との用語はサブセクション7(3)から削除された。したがって、上記要件、すなわち優先日の時点で関連技術分野においてオーストラリア内において実施されているとの要件は、2002年4月1日以降の出願日を有するケースでは適用されない。

(参考:Pizzeys Patent and Trade Mark Attorneys(ピジーズ特許&商標事務所:http://www.pizzeys.com.au/home.htm))

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Tafas v. Dudas 米国特許法差止事件の本訴判決 USPTO敗訴

4月1日:ヴァージニア東部地区連邦地裁は、USPTOの規則改正①②③は、特許法によって与えられた権限を超えるものであり、許されないとの判決をした。

 ①継続出願の回数制限(The 2+1 Rule)
 ②クレーム数の制限(the 5/25 Rule)
 ③審査支援書面の提出(the ESD)

今後、USPTOが控訴するかどうかは不明であるが、

 控訴によって逆転判決を得るか、特許法が改正されない限り、本規則が施行されることはないことになった。

以上。

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