« 今週の羅針盤《125》 | Main | 中検3級 2度目の挑戦も×でした。 »

June 30, 2008

中国 新規性の判断基準からみた明細書作成上の留意点

新規性および創造性の判断基準からみた留意点

 新規性:国内公知、国内公用、国内外刊行物、抵触出願(日本の29条の2に相当)

      日を基準(日本は時を基準)

  発明の同一性

  技術分野、技術課題、技術方案および予想される効果が実質的に同一である場合、両者は同一と認定される。

  技術方案が先ず審査され、実質的に同一であると認定できた場合に、同一技術分野に適用でき、同一課題を解決でき、同一の予想される効果を具備するか否か審査する。

 実質的同一: 単なる文字、表現だけの相違

    例えば、請求項「Nb-Fe-B合金で、正方晶構造で、主相がNb2Fe14B金属間化合物

        引用文献「Nb-Fe-B磁石」

      Nb-Fe-B磁石が正方晶構造で、主相がNb2Fe14B金属間化合物であることが周知である場合

   上位概念と下位概念

  例: 請求項「金属で製作された製品」

     引用文献「銅で製作された製品」

  例: 請求項「銅で製作された製品」

     引用文献「金属で製作された製品」

  例: 請求項「塩素による処理」

     引用文献「ハロゲンによる処理」 明細書はフッ素の実施形態のみ

   慣用手段の単なる置換

  例:  請求項「ねじで固定する装置」

      引用文献「ボルトで固定する装置」

   数値と数値範囲

1) 引用文献の数値が請求項の数値範囲の内側に包含される場合は新規性を有しない。

 例1-1: 請求項「10~35%の亜鉛、2~8%のアルミニウムを含み、残部が銅である合金」

     引用文献「20%の亜鉛、5%のアルミニウム、残部が銅の合金」

 例1-2: 請求項「厚さ100~400mmのアーチライニング」

     引用文献「厚さ180~350mmのアーチライニング」

2) 部分的に重複する場合、境界値が共通する場合は新規性を有しない。

 例2-1: 請求項「1~10時間焼成するセラミックの製法」

     引用文献「4~12時間焼成するセラミックの製法」

 例2-2:請求項「スプレーガンの出力を20~50kwにするプラズマスプレー法」

     引用文献「スプレーガンの出力を50~80kwにするプラズマスプレー法」

3) 公知の数値範囲の境界値の発明は新規性を有しないが、数値範囲内の一点値の発明は、新規性を有する。

 例3-1:請求項「40℃、58℃、75℃、100℃の乾燥温度で製造する方法」

      引用文献「40~100℃の乾燥温度で製造する方法」

4) 公知の数値範囲内に包含されるが、該数値範囲の境界値を含まない、数値範囲の発明は新規性を有する。

 例4-1:請求項「直径95mmのピストンリング」

      引用文献「直径70~105mmのピストンリング」

 例4-2:請求項「重合度100~200のエチレンプロピレンコポリマー」

      引用文献「重合度50~400のエチレンプロピレンコポリマー」

 性能、パラメータ、用途、または製法の特徴を含む製品の請求項

 対比文献の製品の構造または組成と区別できる構造または組成を具備していると暗示されていれば新規性を有する。

 性能、パラメータ、用途、または製法の特徴を含む製品が対比文献の製品と区別しにくい場合は同一であると推定される。出願人は区別されることを証明しなければこの推定は覆らず新規性を有しないとされる。

 製法特徴を含む製品では、製法による作用で製品に区別できる構造または組成が具備されたと判断されれば新規性を有する。

 用途発明の新規性

 新規物質の用途は新規性がある。

 用途発明は方法の発明であるから、方法の新規性有無で判断する。

 「~用組成物」は物の発明であり用途発明ではない。

  「抗ウイルス用の化合物X」v「触媒用の化合物X]

  「クレーン用吊り金具」v「魚釣り用吊り金具」

 *性能、パラメータ、用途、または製法の特徴を含む物が、従来品と異なる物であることを実証するために、従来品との比較実験データを記載しておくなどの留意が必要。

 化合物の新規性

 ①請求項で特定する化合物が引用文献に掲載されていれば、新規性を具備しないと推定される。ただし、当該化合物が出願日前に得ることができなかったことを立証できる場合は除く。

 掲載とは、化合物の名称、分子式あるいは構造式、物理化学的特性値、あるいは製造方法が記載されていることである。

 化合物の名称、分子式あるいは構造式が不明確であるが、物理化学的特性値、あるいは化合物を特定するための他のパラメータが開示されていれば、新規性を有しないと推定される。

 化合物の名称、分子式あるいは構造式、物理化学的特性値、が不明確であるが、製造方法が同一であれば、新規性を有しないと推定される。

 ②一般式で表された化合物によって、具体的な化合物の新規性を否定することはできない。具体的な化合物の開示は、一般式で表される化合物の新規性を否定できる。

 一系列の具体的な化合物の開示は、この系列に対応する各化合物の新規性を否定できる。

 炭素数1~4の化合物の開示では、両端の化合物(C1、C4)の新規性は否定される。C4にいくつかの異性体がある場合、個別の異性体の新規性を否定できない。

 ③天然物質の存在自体では、物質の新規性を否定できないが、構造または形態が一致する場合や、直接同一視する天然物である場合は新規性を否定できる。

|

« 今週の羅針盤《125》 | Main | 中検3級 2度目の挑戦も×でした。 »