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July 21, 2008

中国 創造性の判断基準からみた明細書作成上の留意点

創造性:突出した実質的な特徴と顕著な進歩があること

 突出した実質的な特徴

  従来技術から自明でないこと、

  従来技術に基づいて論理的分析、推理若しくは実験を通じて、当該発明を得ることができる場合は自明である。

  自明判断手法

   1)最も近い従来技術の確定

          (技術分野が同一または近接している技術であることを考慮)

   2)最も近い従来技術と区別される特徴を確定し、発明の実際に解決しようとする課題を確定する。

   3)従来技術と技術課題から自明性を判断する。

    自明の判断は、従来技術において、技術課題を解決するように、区別される特徴を、最も近い従来技術に適用する示唆があるか否かで判断する。

    次の場合は示唆があると認定する。

    ①区別特徴が周知慣用技術である場合

     アルミニウム建材 v. 軽量建材(アルミニウムの記載無し)

         (軽量なものとしてアルミニウムはこの分野で周知慣用)

    ②区別特徴が従来技術と関連する技術的手段と作用が同一

  例1 発明 :排水凹溝が設けられた黒鉛円盤ブレーク 課題 摩擦で生じる黒鉛屑を効率的に取り除く。溝によって洗浄水が排出される

     文献1:黒鉛円盤ブレーキ

     文献2:排水凹溝が設けられた金属円盤ブレーキ 付着する埃を取り除く。

  例2 発明 :ニッケル合金Bの被覆層を形成されたバルブヘッド 耐高温腐蝕性

     文献1:被覆層を形成されたバルブヘッド

     文献2:ニッケル合金B

                              耐高温腐食性に優れる。エンジンのバルブに利用可能であると記載。

 顕著な進歩

  従来技術に比較して有益な技術効果を発揮すること、

   品質の改善、生産量の向上、エネルギーの節約、環境汚染の防止等

  異なる技術的構想を有する方案を提案するもので、その効果が従来技術レベルにあること

  ある新しい技術の発展動向を示している場合(パイオニア発明)

  ある面でマイナス効果があっても、他の面で明確に有益な効果がある場合

 創造性は、当業者の知識と能力を基準に評価を行う。

 パイオニア発明

 組合せ発明(自明な組合せと非自明な組合せ) 予想外の効果、相互作用関係の有無(効果の総和を超えた効果)、

 選択発明 予想外の技術的効果の有無を主な考慮点とする

 転用発明

  技術分野の近さ、示唆の有無、転用の難易度、技術上の難点を克服する必要性、転用による技術効果(予想外の効果の有無)

 用途発明の創造性

  既知物質の公知の性質を利用しただけである場合は創造性否定

  既知物質の新しく発見した性質を利用し、予想外の効果を収めた場合、創造性肯定

 要素変更発明

  変更:形状、配置、サイズ、作用関係の変更

   効果、機能、作用の上から変更が予測できる場合は創造性は否定

   予想外の効果を生じる場合は創造性肯定。

 要素置換発明

  代替要素で置換する

   効果、機能、作用の上から置換が予測できる場合は創造性は否定

   予想外の効果を生じる場合は創造性肯定。

 要素省略発明

  要素を省くこと

   依然として従来のすべての機能が維持されている場合創造性肯定

   予想外の効果を生じる場合創造性肯定

 他の考慮項目

  長年解決できなかった技術難題の解決

  先入観による偏見(不可能と思われていたこと、放棄されていたこと)を克服

  予想外の技術的効果

  商業上の成功

 審査官に「後知恵」を犯させるような記載。

  従来技術の欄において、従来技術から本発明への創作過程を論理的な説明で種明かしをしてしまう記載をしてしまう場合。

   従来技術:分子量30万のポリエチレン 分子量が高いと硬く柔軟性に乏しい

        分子量を低くすれば、柔軟性が上がる。

   本発明 :分子量10万のポリエチレン 柔軟性が高い。

 *「予想外の効果を生じることが示されれば、その技術方案が突出した実質的特徴を具備するか否かを疑う必要がなく、発明は創造性を具備していると確定することができる」という基準になっているので、効果の記載、実施例によってデータを示し従来例と対比することが非常に重要である。

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