補正または訂正の制限からみた留意点
補正の原則
出願時の明細書と権利請求書に記載した範囲を超えてはならない。
自発補正
補正可能時期:
実質審査請求の時
実質審査段階に移行した旨の通知を受け取った日から3ヶ月以内
(期限の起算日は通知の受取推定日、受取推定日は発送日から15日後、例えば7月4日発送の通知書は7月19日が受取推定日となる。)
期限延長が可能(最大2ヶ月)
補正可能範囲:出願時の明細書と権利請求書に記載した範囲を超えてはならない。
指令による補正
補正可能時期:
指定された期間
補正可能範囲:出願時の明細書と権利請求書に記載した範囲を超えてはならない。
①補正指令の要求に基づく補正
*指令が、出願時の明細書と権利請求書に記載した範囲を超える補正を求めるものであった場合。将来的には無効理由を抱えることになるので注意。指令に従っておけば大丈夫というわけではない。
②補正指令の要求に基づく補正ではないが、出願書類の欠陥が排除され、特許権付与の見込みがある場合
但し、次の場合は不可
1)独立請求項中の技術的特徴を削除して、当該請求項の保護範囲を拡大した場合
例えば、A,BおよびCからなるX → AおよびCからなるX
2)独立請求項中の技術的特徴を変更して、保護範囲の拡大を引き起こす場合
例えば、A、Bおよびc(螺旋バネ)からなるX
→ A、BおよびC(弾性部品)からなるX
3)明細書のみに記載され、元の保護を請求する主題と単一性を欠如する技術内容を補正後の請求項の主題とする場合
例えば、 自転車ハンドル → 自転車シート
4)新たな独立請求項を増加したが、当該請求項が特定する技術方案は原権利請求書中に記載されていなかった場合
許される補正
例1 AおよびBからなるX → A、BおよびCからなるX
AおよびBからなるX → AおよびbからなるX
例2 温度20~90℃ 明細書に40℃、60℃、80℃の実施例
→ 温度60~80℃
→ 温度60~90℃
例3 製法クレーム → 物クレーム
例4 請求項の削除
例5 従属関係の補正
許されない補正
新たな効果の追加
実験データの追加(実施可能要件違反、サポート要件違反を補正で覆すことは不可)
復審請求における補正:
出願時の明細書と権利請求書に記載した範囲を超えてはならない。
拒絶査定の除去または復審通知書に指摘された欠陥の修復に限る。
無効審判における訂正:
自発的な訂正はできない。
訂正:権利請求書の訂正ができる。明細書および添付図面の訂正はできない。
権利請求書に記載が無い事項は、明細書に記載があっても追加することができない。
主題の変更は不可。
保護範囲の拡大不可。
出願時の明細書と権利請求書に記載した範囲を超えてはならない。
したがって、①請求項の削除、②併合、③方案の削除に限る。
請求項の削除:請求項中の一項以上の請求項を削除すること
請求項の併合:二項以上の相互に従属関係はないが、授権公告書類中には同一の独立請求項に従属する請求項を併合すること、独立請求項は必ず補正されていなければならない。
請求項1. A、B、CからなるX
請求項2. Aがaである請求項1のX
請求項3. Bがbである請求項1のX
併合
請求項1. a、b、CからなるX
方案の削除:同一請求項中で並列的な技術方案の一種以上を削除すること、
併合の訂正ができる時期
請求項1. BまたはCからなるX
削除
請求項1. BからなるX
無効宣告請求書に対しての応答期限内
追加された無効宣告の理由または追加証拠に対しての応答期限内
特許復審委員会が引用した請求人未提出の無効宣告理由または証拠に対しての応答期限内
*請求項の適切な数
*明細書に記載の追加可能な技術的特徴を権利請求書に記載しておくこと。