December 30, 2011

韓国特許法改正

2011年12月に改正法が公布され、2012年3月15日に施行されるようです。

主な改正点

1.新規性喪失例外適用期間を12か月に改正(米国法のグレースピリオドと同じ制度)
2.特許権の存続期間の調整制度の新設(特許出願人に起因する事由ではない事由で特許権の設定登録が遅れた場合〔出願日から4年または出願審査請求日から3年のうち遅い日より遅延して設定登録された場合〕は、その遅延期間分だけ特許権の存続期間が延長される(米国の存続期間調整と類似の制度)
3.特許権侵害訴訟手続きにおける秘密保持命令制度の新設(営業秘密が含まれている書面を当事者のみに閲覧を限定する制度)
4.特許発明の不実施を理由とする特許権の取り消し制度の廃止

以上

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December 18, 2011

新規性喪失の例外 ~外国ではどうなる?

産学連携。

大学発明の特許出願に関る機会が増えてきてます。

以前、企業にいたときは30条(新規性喪失の例外)を適用して
出願するなんてことは、
ほとんど無かったんですが、

大学発明の特許出願となると違います。

国公立大学の特許出願の2割強が30条適用(学会発表後の)出願です。

さて、日本で30条の適用を受けなければ出願できない
学会発表してしまった発明を外国で特許できるのか?

●欧州には、学会発表、刊行物公知によって新規性を喪失した発明を救済する規定がありません。
 したがって、欧州では特許がとれません。

●米国では、1年間のグレースピリオド(102(b))があります。これによって救済されます。
 救済を受けるためには、学会発表等で新規性を喪失した日から1年以内に米国出願又は米国を指定したPCT出願しなければなりません。日本出願日が発表日から1年以内であっても発表日から1年を過ぎてパリ条約優先権主張で米国出願しても発表日から1年以内であったとすることはできません。

 なお、米国は、2013年3月16日以降は先発明主義から先公表主義に移行します。米国の新規性判断の基準日が有効出願日となります。この有効出願日は米国出願日または優先権主張日です。その結果、新規性を喪失した日から1年以内に日本出願してそれに基づく優先権主張で米国出願またはPCT出願した場合でもグレースピリオドが適用されそうです。また、米国では、Bが発明発表後特許出願し、AがBの特許出願後に特許出願し、AがBの発明発表よりも先に発明発表をしていた場合は、Bの特許出願はAの発表によって新規性が無いとされ、Aの特許出願はBの発表より先に発表しているから新規性を喪失せず特許を受けることができるようです。

●韓国では、韓国知財庁に指定された学会が適用対象になります。日本の学会が韓国で適用されるためには韓国知財庁での指定がなければなりません。
 ところで、韓国は、2006年2月末予定で、新規性喪失の例外が改訂されます。
  どうなるかというと、米国のグレースピリオド同様に
  全ての新規性喪失事由に対して適用されるということです。但し、期間は新規性を喪失した日から6ヶ月です(* 2011年12月に「新規性喪失例外適用期間を12か月」とする改正法が公布され2012年3月15日から施行されるようです。)。日本出願日が発表日から6ヶ月以内であっても発表日から6ヶ月を過ぎてパリ条約優先権主張で韓国出願しても発表日から6ヶ月以内であったとすることはできません。

●中国では、中国専利局に指定された学会が適用対象になります。日本の学会が中国で適用されるためには中国専利局での指定がなければなりません。
 それから、中国では、中央政府(国務院)の関係主管部署が主催した学会又は全国的組織の学会に限って例外が適用され、地方政府等主催の学会、全国的組織の学会から委託を受けた支部等が開催の学会等は適用外となりそうです。ですから、中国に現地開発機関を持つ会社は学会の主催がだれなのか現地代理人と相談しなが進めることが必要です。期間は新規性を喪失した日から6ヶ月です。日本出願が発表日から6ヶ月以内に行われていれば、発表日から6ヶ月を過ぎてパリ条約優先権主張で中国出願することによって中国出願は日本出願日に行われたものとみなされる。

●台湾では、試験又は研究のための発表について救済される可能性があります。この試験又は研究のための発表に学会発表等が含まれるものであれば例外規定が適用かもしれません。この点の解釈も、それぞれのケースに応じて現地代理人のアドバイスを受ける必要があると思います。期間は新規性を喪失した日から6ヶ月です。2011年11月29日公布の改正法によって刊行物によって発表されたものが新規性喪失の例外の対象となるようです。

このような感じですから、学会発表してしまうと、外国で特許を取得することはかなり厳しくなります。

したがって、発表前に特許出願することを是非お勧めします。

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May 27, 2009

平成20(許)36 秘密保持命令申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件

平成20(許)36 秘密保持命令申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
平成21年01月27日 最高裁判所第三小法廷 決定 破棄自判 知的財産高等裁判所

特許法においては,「訴訟」という文言が,本案訴訟のみならず,民事保全事件を含むものとして用いられる場合もあり(同法54条2項,168条2項),上記のような秘密保持命令の制度の趣旨に照らせば,特許権又は専用実施権の侵害差止めを求める仮処分事件は,特許法105条の4第1項柱書き本文に規定する「特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟」に該当し,上記仮処分事件においても,秘密保持命令の申立てをすることが許されると解するのが相当である。

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平成20(ネ)10061 損害賠償請求控訴事件 知財高裁

民訴法6条1項によれば,「特許権…に関する訴え」については,東京地裁又は大阪地裁の専属管轄である旨が規定され,ここにいう「特許権に関する訴え」は,特許権に関係する訴訟を広く含むものであって,特許権侵害を理由とする差止請求訴訟や損害賠償請求訴訟,職務発明の対価の支払を求める訴訟などに限られず,本件のように特許権の専用実施権や通常実施権の設定契約に関する訴訟をも含むと解するのが相当である。

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April 16, 2009

最近の知財高裁における進歩性判断の傾向 ~ 阻害事由から示唆等に

平成20年(行ケ)第10096号 審決取消請求事件 平成21年1月28日判決 知財高裁

飯村判事が担当された事件で、下記のような説示が判決文においてされておりましたので、ご紹介します。

********判決文(抜粋)******

2 判断
(1) 特許法29条2項が定める要件の充足性,すなわち,当業者が,先行技術に基づいて出願に係る発明を容易に想到することができたか否かは,先行技術から出発して,出願に係る発明の先行技術に対する特徴点(先行技術と相違する構成)に到達することが容易であったか否かを基準として判断される。ところで,出願に係る発明の特徴点(先行技術と相違する構成)は,当該発明が目的とした課題を解決するためのものであるから,容易想到性の有無を客観的に判断するためには,当該発明の特徴点を的確に把握すること,すなわち,当該発明が目的とする課題を的確に把握することが必要不可欠である。

そして,容易想到性の判断の過程においては,事後分析的かつ非論理的思考は排除されなければならないが,そのためには,当該発明が目的とする「課題」の把握に当たって,その中に無意識的に「解決手段」ないし「解決結果」の要素が入り込むことがないよう留意することが必要となる。

さらに,当該発明が容易想到であると判断するためには,先行技術の内容の検討に当たっても,当該発明の特徴点に到達できる試みをしたであろうという推測が成り立つのみでは十分ではなく,当該発明の特徴点に到達するためにしたはずであるという示唆等が存在することが必要であるというべきであるのは当然である。

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欧州の審査基準に類似した判断をしている感じです。この基準は、特許庁の現行審査基準よりも、進歩性があるとの(権利者に有利な)判断がなされやすい傾向になるのではないかと思われます。

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November 17, 2008

平成19年(行ケ)第10304号審決取消請求事件  ~記載不備~

平成19年(行ケ)第10304号審決取消請求事件
平成20年8月6日判決言渡

ザスキーペンズアイリサーチインスティテュートインコーポレイテッド v. 特許庁長官

(概要)原告が,特許出願の拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消しを求める事案
 審決は記載要件を満たしていないというものである。
 本願の請求項1は、「局所適用において有効量のアンドロゲンまたはアンドロゲン類似体,および当該アンドロゲンまたはアンドロゲン類似体を患者の眼球表面または眼の直ぐ近傍に局所的に投与するための賦形剤を含む医薬的に許容できる物質を含む,当該患者の眼の乾性角結膜炎の症状を治療する治療組成物。」である。
 医薬についての用途発明においては,一般に,有効成分の物質名,化学構造だけからその有用性を予測することは困難であり,明細書に薬理データ又はそれと同視すべき程度の記載をしてその用途の有用性を裏付ける必要がある。
 ①本願にはテストステロンを全身投与した試験方法と試験結果が記載されており,有効であったことが記載されている。ところが、眼への局所投与を行った試験結果は一切記載されていなかった。シェーグレン症候群は,眼に症状が表れるが臓器非特異的な疾患,つまり全身性の自己免疫疾患である。したがって,シェーグレン症候群における乾性角結膜炎の症状の治療のためには,当業者であれば,一般的には,全身投与を考えるものであり,本件出願日前に,全身投与で治療効果が認められれば眼への局所投与でも治療効果があると推測できるとの技術常識は存在しなかった。
 眼への局所投与による,乾性角結膜炎の症状の治療の有用性を裏付ける記載がなされているとは到底認めることができない。
 ②本件出願日前には,眼への局所投与は知られておらず,当業者は,一般的には,全身投与を考えるものであるから,慣用的なプロトコルでアンドロゲンまたはアンドロゲン類似体の有効量を容易に決定できない。また,上記のとおり,眼への局所投与におけるアンドロゲンまたはアンドロゲン類似体の有効量がどのような量かということは当業者の技術常識ではない。
 「局所適用において有効量のアンドロゲンまたはアンドロゲン類似体」を,当業者が,本願明細書の記載と技術常識に基づいて容易に選定し,本願発明を容易に実施することはできない。
 知財高裁は、審決を支持した。 以上。

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November 10, 2008

Obviousness(MPEPの2141~2146)

35 U.S.C. 103. Conditions for patentability; non-obvious subject matter.
(a)A patent may not be obtained though the invention is not identically disclosed or described as set forth in section 102 of this title, if the differences between the subject matter sought to be patented and the prior art are such that the subject matter as a whole would have been obvious at the time the invention was made to a person having ordinary skill in the art to which said subject matter pertains. Patentability shall not be negatived by the manner in which the invention was made.
(b)(1)Notwithstanding subsection (a), and upon timely election by the applicant for patent to proceed under this subsection, a biotechnological process using or resulting in a composition of matter that is novel under section 102 and nonobvious under subsection (a) of this section shall be considered nonobvious if-
  (A)claims to the process and the composition of matter are contained in either the same application for patent or in separate
applications having the same effective filing date; and
  (B)the composition of matter, and the process at the time it was invented, were owned by the same person or subject to an obligation of assignment to the same person.
(2)A patent issued on a process under paragraph (1)-
  (A) shall also contain the claims to the composition of matter used in or made by that process, or
  (B)shall, if such composition of matter is claimed in another patent, be set to expire on the same date as such other patent, notwithstanding section 154.
(3)For purposes of paragraph (1), the term “biotechnological process” means-
  (A)a process of genetically altering or otherwise inducing a single- or multi-celled organism to-
   (i)express an exogenous nucleotide sequence,
   (ii)inhibit, eliminate, augment, or alter expression of an endogenous nucleotide sequence, or
   (iii)express a specific physiological characteristic not naturally associated with said organism;
  (B)cell fusion procedures yielding a cell line that expresses a specific protein, such as a monoclonal antibody; and
  (C)a method of using a product produced by a process defined by subparagraph (A) or (B), or a combination of subparagraphs (A) and (B).
(c)(1) Subject matter developed by another person, which qualifies as prior art only under one or more of subsections (e), (f), and (g) of section 102 of this title, shall not preclude patentability under this section where the subject matter and the claimed invention
were, at the time the claimed invention was made, owned by the same person or subject to an obligation of assignment to the same person.
(2)For purposes of this subsection, subject matter developed
by another person and a claimed invention shall be deemed to have been owned by the same person or subject to an obligation of assignment to the same person if —
  (A)the claimed invention was made by or on behalf of parties to a joint research agreement that was in effect on or before the date the claimed invention was made;
  (B)the claimed invention was made as a result of activities undertaken within the scope of the joint research agreement;
and
  (C)the application for patent for the claimed invention discloses or is amended to disclose the names of the parties to the joint research agreement.
(3)For purposes of paragraph (2), the term “joint research agreement” means a written contract, grant, or cooperative agreement entered into by two or more persons or entities for the performance of experimental, developmental, or research work in the field of the claimed invention.

2141 >Examination Guidelines for Determining Obviousness Under< 35 U.S.C. 103**
このガイドラインでは、103条のObviousnessの判断を適切になすために、KSR事件における最高裁判決の観点からObviousnessの理由付け(論拠)を提供する。
ただし、このガイドラインは法律的効果を持つものではない。

Ⅰ KSR判決とObviousnessの法理
最高裁のKSR判決は、従来からの概念であるGraham基準を再確認した。連邦裁がTSMテストを硬直した形式的な適用をしたという誤りを犯していたと最高裁は述べている。
具体的に、最高裁は連邦裁が次の4つの誤りを犯したと指摘している。
1)裁判所および審査官は特許権者が解決を試みた課題だけを見るべきであるということで、
2)課題の解決を試みる当業者は、同じ課題を解決するために書かれた従来技術だけによって導かれるとする仮定をしたことで、
3)構成の組み合わせにすることが自明であるということを証明するだけでは特許クレームを自明としないということで、
4)”後知恵hindsight”によって拒絶してしまうという裁判所および審査官の危険性を過度に強調したことで、
  結果的に通常の感覚に基づく事実認定を否定する剛直な予防ルールを適用することになった。

最高裁は従来技術の組み合わせに係る発明のObviousnessについて、Graham判決以降の3つの判決を挙げている。
1)United States v. Adams : 特許クレームが従来技術において既に知られた構造の一部を、他の技術分野で知られている構成で置き換えただけのものである場合には、その組み合わせで予測される結果を超える結果が無い。
2)Anderson's Black Rock, Inc. v. Pavement Salvage Co.: 二つの公知の構成を組み合わせたものは、それらを分離したものまたは並べたものを超えていな。
3)Sakraida v. AG Pro, Inc.: 従来構成を単に組み合わせただけで、それら構成それぞれが、単独でなされる作用機能と同じ作用機能をなすだけで、組み合わせたことにより予測される効果を超えていない。
これらはObviousnessである。

Ⅱ Graham判決の基本-事実審理
Graham判決において下記のようなObviousnessの事実審理の方式が示された。
  A) 先行技術の範囲と内容の決定
  B) クレームされた発明と先行技術との相違点の確定
  C) 当技術分野の通常知識レベルの決定
そして、これら事実審理に基づいてObviousnessを決定するべきとしている。

A 先行技術の範囲と内容の決定
  ①審査官は出願明細書から発明者が何を発明したかを理解する。そして、出願明細書の記載から、最も広い道理に適った解釈をしてクレームの範囲を決定する。  ⇒クレーム解釈の手法
  ②先行技術の調査
   何を調べるか; クレームから予測される物(物質、機械)が包含されるものを調べる
   どこを調べるか; 先行技術は出願発明の技術領域とそれに関連する技術領域を調べる。連邦裁の誤り1)2)に陥らないこと。

B クレームされた発明と先行技術との相違点の確定
  発明と先行技術とを全体的に(as a whole)捉えて考慮する。

C 当技術分野の通常知識レベルの決定
   当技術分野の通常知識レベルを有する者として、仮想的な当業者を設定する。
その設定において考慮される因子は、下記のようなものである。
  (1) “type of problems encountered in the art;”  直面した課題の種類
  (2) “prior art solutions to those problems;”  従来技術における問題解決策
  (3) “rapidity with which innovations are made;”  革新の速さ
  (4) “sophistication of the technology; and”  技術の高度(精巧)さ
  (5) “educational level of active workers in the field. 直接に関る人々の教育水準
さらに、審査官の個人的な知識を加味することができる。

Ⅲ 103による拒絶をサポートする理由付け
先行技術は文献だけに限らない、当業者の知識である。
先行技術文献においてクレームのすべての構成を教示または示唆している必要はないが、クレーム発明と先行技術との相違が自明であるとの理由を審査官は説明しなければならない。単に相違があるというだけで非自明となるわけではない。
Obviousnessの決定はすべての事実を考慮して行う。TSMによる理由付けで拒絶してもよいが硬直した適用には注意すべきである。
理由付けの例として以下のものを挙げている。
(A)公知の方法に従って先行技術を組み合わせ予測された結果が得られた。
(B)ある公知の技術を他の公知技術に単に置換え予測された結果が得られた。
(C)類似装置、方法または物質の改良のために使われる公知の技法を同じように使用。
(D)公知の装置、方法または物質に公知技術を改善を期待して適用し予測された結果が得られた。
(E)「Obvious to try」 有限数の予測可能な特定解から選択し、成功にほどほどの期待がある。
(F)ある目的を目指した分野で知られた研究が、もし、変形が当業者においてありふれていたら、設計の動機または他の市場力の基に、同じ分野または異なる分野で使用するための変形を促すかもしれない。
(G)先行技術文献を修正または先行技術文献の教えを組み合わせることを、先行技術において教示、示唆、または動機付けがあり、クレームされた発明に到達する。

Ⅳ 出願人の応答
審査官がGraham事実審理を行い、自明であるとの認定に至ったときには、
(A)認定に誤りがあること、および(B)クレーム発明が非自明であるとの他の証拠を示す、責任は出願人に移る。
出願人の応答は、理由を付けなければならない。prima facie自明は成り立たない若しくは書証に基づいていないなどを単に主張するだけでは、実質的な応答(反証rebutment、否認/抗弁traverse)にならない。審査官は同じ拒絶を繰り返すだけである。

Ⅴ 出願人の反論証拠の考慮
反証が提出されたら、それを加味して、審査官は、総合的に再審理する。反証には、商業的成功、長期未解決課題、非予測的結果などの二次的考慮の資料を含む。
反論証拠の例として以下のものが挙げられる。
(A)当業者は公知の方法ではクレームされた構成の組み合わせにすることができなかった(技術的困難など)。
(B)構成が組み合わされたものは、それら構成単独でなす作用機能を単になすものでない。
(C)クレームされた組み合わせによる結果が予測できないものであった。

2141.01 Scope and Content of the Prior Art
Ⅰ 102条の先行技術は103条の先行技術になる

Ⅱ 先行技術の実質的内容
   動作不能な装置の利用可能性、先行技術が実施可能である程度、具体例ではなくそれより広い範囲の開示、自白などが考慮される。

Ⅲ 後知恵を防ぐために発明時基準で先行技術の内容を確定する。

Ⅳ 103(C)適用の条件
  先行技術が102(e)、(f)、(g)の場合には、発明した時に、クレーム発明が、同一者に所有されていたか、同一者に譲渡する義務があったことを証明することができる。

2141.01(a) Analogous and Nonanalogous Art
Ⅰ 103条の文献は、類似先行技術文献でなければならない。異なる技術分野のものであっても類似技術であれば103の文献として適正である。

Ⅱ 構造や機能が同様のものと、相違するものとに文献を分類する。

Ⅲ 化学分野での類似性
例1:発明:プロピオン酸をverxiteに吸収させたものを含む動物性食品の保存に適した組成物
    先行:担体に生物学的活性物質を吸収させたものが開示された文献
例2:発明:PTFEのチューブに炭化水素燃料を流すことで発生する静電気を防ぎ、燃料の漏れも防ぐ
    先行:ゴムホース 燃料を流すことによって発生する静電気防止が課題
例3:発明:染色浸透標記の改良および固定化が課題
    先行:カラー画像を得るために染料と現像物質を使用することを教示

Ⅳ 機械分野での類似性
例1:発明:特殊な毛の配置をしたヘアブラシ
    先行:歯ブラシ
例2:発明:交換バルブの取り外しが容易な複動高圧ガス変換圧縮器
    先行:複動ピストンポンプ、複動ピストン圧縮器
例3:発明:計器用マーカーペン本体 ペンアーム保持手段がヒンジ部と一体成形されている。
    先行:ヒンジ、ファスナー
例4:発明:ブレーキ部材
    先行:クラッチ

Ⅴ 電気分野での類似性
例1:発明:心臓ペースメーカー 高周波パルスによる機能不良(暴走)を防ぐ
    先行:高出力高周波装置における回路 発振器からのパルスによる暴走を防ぐ

Ⅵ デザイン分野での類似性の例(省略)

2141.02 Differences Between Prior Art and Claimed Invention
Ⅰ クレーム発明全体で考慮する
  本発明と先行技術との相違を決定するにあたり、103条は相違点が自明であったかどうかではなく、発明全体として自明であるか否かを考慮する。

Ⅱ 趣旨または目的によって発明を分説することは、全体考慮の要件を無視することになる。

Ⅲ 問題の根源/理由の発見は全体考慮の一部
  問題の根源(source)の発見は非自明の根拠となることがある。
  問題の理由(cause)の発見は必ずしも非自明の根拠とならない。

Ⅳ 問題の根源の発見を主張する出願人は具体的な証拠を提示しなければならない。
   実施例&比較例、実験証明書

Ⅴ 見出した本来的特性は全体考慮の一部
   審査官は先ず総合的に発明の範囲に線引きをする。この線引きにおいては、クレームに記載された文言だけでなく、明細書に記載された特性または本来的な特性に注意を向ける。
  たとえ、物の本来的特性が後に明らかになったとしても、発明時に知られていなかったことに基いて、自明と断定することはできない。
 obviousness based on inherentは発明時が基準。
 Anticipation base on inherentは後に明らかになったものでも適用可。

Ⅵ 先行技術は、クレーム発明から離れる(Teach away)開示を含むそのままで総合考慮しなければならない。 Teach awayの部分を無視して他の部分だけから自明とすることはできない。

2141.03 Level of Ordinary Skill in the Art
Ⅰ 考慮される因子は、下記のようなものである。
  (1) “type of problems encountered in the art;”  直面した課題の種類
  (2) “prior art solutions to those problems;”  従来技術における問題解決策
  (3) “rapidity with which innovations are made;”  革新の速さ
  (4) “sophistication of the technology; and”  技術の高度(精巧)さ
  (5) “educational level of active workers in the field. 直接に関る人々の教育水準
さらに、審査官の個人的な知識を加味することができる。

Ⅱ 特定のレベルを明示する必要はない

Ⅲ 確定した基準は維持しなければならない。

2142 Legal Concept of Prima Facie Obviousness
審査官が先ずObviousnessついての立証責任を負うが、審査官がPrima Facie Obviousnessによる拒絶をした場合には、立証責任が移動し、出願人は非自明であることを主張立証しなければならなくなる。このように立証責任を分担することで、審査資料を収集し、事実関係を明らかにして、それら資料全体を検討して結論を導くようになっている。

2143 >Examples of< Basic Requirements of a Prima Facie Case of Obviousness
Obviousnessを支持することができる理由付け
(A)公知の方法に従って先行技術を組み合わせ予測された結果が得られた。
例1: 本発明:アスファルト舗装装置 側面にバーナー設置。連続舗装を行うため
 先行文献:アスファルト舗装装置 継をするためにアスファルトを柔らかくするためのバーナーが設置。
例2: 

(B)ある公知の技術を他の公知技術に単に置換え予測された結果が得られた。
例1: 本発明:コーヒー豆の脱カフェイン方法 油にカフェインを吸収させ、蒸留法によって油からカフェインを除去
   背景技術:油にカフェインを吸収させ、水抽出法によって油からカフェインを除去
   先行技術:コーヒー豆を油に入れ、そのまま蒸留して脱カフェインする方法
例2: 
例3:
例4:

(C)類似装置、方法または物質の改良のために使われる公知の技法を同じように使用。
例1: 
例2: 本発明:基礎に打ち込む螺旋アンカーと、アンカー上に荷重を伝えるための金属ブラケットとからなるシステム
  先行技術:螺旋アンカー
  先行技術:アンカーに基礎の荷重を伝えるためのコンクリート製迫腰
  先行技術:基礎に埋め込むためのプッシュ橋脚 橋脚には金属ブラケットを用いることを提示、金属ブラッケトでプッシュ橋脚に荷重を伝える。
(D)公知の装置、方法または物質に公知技術を改善を期待して適用し予測された結果が得られた。
例1: 
例2:
例3

(E)「Obvious to try」 有限数の予測可能な特定解から選択し、成功にほどほどの期待がある。
例1:
例2: 本発明:医薬オキシブチニンの徐放性を24時間を超える特定の徐放速度で規定したもの
   従来技術1、水溶性医薬の徐放性製剤 水溶性医薬としてオキシブチニンも含まれることを開示
   従来技術2、オキシブチニンの徐放製剤、本発明とは異なる徐放速度
   従来技術3、24時間を超える医薬の放出(delivery)のための方法 医薬にはオキシブチニンが含まれることを開示、ただ、オキシブチニンに適用したことは非開示。
例3:

(F)ある目的を目指した分野で知られた研究が、もし、変形が当業者においてありふれていたら、設計の動機または他の市場力の基に、同じ分野または異なる分野で使用するための変形を促すかもし れない。
例1:
例2:
例3:

(G)先行技術文献を修正または先行技術文献の教えを組み合わせることを、先行技術において教示、示唆、または動機付けがあり、クレームされた発明に到達する。

2143.01 Suggestion or Motivation to Modify the References
Ⅰ. クレーム発明の望ましい状況を暗示〔提案〕
 
Ⅱ. 各先行技術の提案が矛盾する場合
     発明との関係の近さ、強さを考慮

Ⅲ. 先行技術の組合せまたは修正できるというだけの場合
Ⅳ. 当業者の技術の将来性の内にあるというだけの場合

 組合せや修正には論理的理由付けが必要。

Ⅴ. 提案された修正が、意図した目的に対して不十分である場合
 本発明:フィルターの底端に血液の入口と出口があり、フィルターの頂部にガスベントがある血液フィルター装置
 先行技術:汚れや水をガソリンから取り除くための液体ストレーナー;入口と出口が装置頂部にあり、汚れ等を抜き出すための閉止弁が底にある。分離は重力によって行われる.先行技術のものを逆さまにすると本発明と同じ構成になる。

Ⅵ. 提案された修正は、先行技術の操作原理を変えてしまう場合。
 本発明:オイルシール; 弾性シール部材に挿入された弾性バネ指が偏って外側に穴開き部が有る。
 先行技術:オイルシール; 筒状メタルケースで補強された穴開き部が有る。

2143.02 Reasonable Expectation of Success Is Required
Ⅰ 理に適った予測ができる場合は自明
Ⅱ 出願人は予測が理に適わないことを立証できる。
Ⅲ 予測可能性は発明時を基準にする。

2143.03 All Claim Limitations Must Be **>Considered<
 クレームの用語はすべて考慮対象とする。
Ⅰ 不明瞭な用語も考慮対象にする。
  2つ以上の意味が導き出せる用語について、そのうちの一つの意味で用語解釈して先行文献との関係で特許性が無いとすることができる。
Ⅱ 明細書にサポートの無い用語も考慮対象にする。
   除外クレーム

2144** Supporting a Rejection Under 35 U.S.C. 103

 Ⅰ 科学法則などで補足できる。
 Ⅱ 明示的な理由が文献に記載されている場合は
 Ⅲ 類似事件にだけ判例(LegalPrecedent)の適用可
 Ⅳ 出願人の考えた論理付けと異なる論理付け可

2144.01 Implicit Disclosure (間接的開示)
 
2144.02 Reliance on Scientific Theory
 科学原理に依拠
2144.03 Reliance on Common Knowledge in the Art or “Well Known” Prior Art
 A 書証によらずに拒絶理由通知できる場合
    瞬時に疑いない慣用技術、周知技術
 B 書証によらない場合は、明白に誤りない理由を付さなければならない。
 C 出願人が反証した場合、次の通知において書証を提示しなければならない。
 D NewIssueまたはNewGroundRejectionに成らない限り次の通知は「最後(final)」となる。

2144.04 Legal Precedent as Source of Supporting Rationale
 Ⅰ 感覚的な(美的)設計変更
 Ⅱ 工程または要素及び機能の除去
   A 要素の機能が望まれていない場合にその要素またはその機能を省略すること
   B 要素の機能を維持して要素を省略すること
 Ⅲ 手動操作を自動化
 Ⅳ 大きさ、形状または成分の添加順序の変更
   A 大きさ又は比率の変更
   B 形状の変更
   C 成分の添加順序の変更
              new or unexpected result
 Ⅴ 携帯可能化、集合可能化、分離可能化、調整可能化、連続化
   A 携帯可能化
   B 集合可能化
   C 分離可能化
   D 調整可能化
   E 連続化
              new or unexpected result
 Ⅵ 部品の 反転、重複、再配列
   A 部品の反転
   B 部品の重複
   C 部品の再配列
              new or unexpected result
 Ⅶ 従来品(化学物質等)の高純度化
  考慮因子:
    化学物質の用途
    化学物質の形態または構造
  例:本発明; 化合物Aの結晶
    先行技術; 化合物Aの粘性液 結晶化については非開示
  例:本発明; 分子量12000超の蛋白 同質になるまで精製したもの
    先行技術;望ましい状況として精製することが記載されていた。同様の精製方法が開示

2144.05 Obviousness of Ranges
  Ⅰ 数値範囲重複
  例: 本発明; 5%超(more than 5%)の一酸化炭素濃度
    先行技術; 約1~5%の一酸化炭素濃度
  例: 本発明; 保護フィルムの厚さ 50~100Å
    先行技術; 好適な保護フィルムの厚さ 約10nm以上

  例: 本発明; 合金(0.8%ニッケル、0.3%モリブデン、~0.1%鉄、残りチタン)
    先行技術; 合金(0.75%ニッケル、0.25%モリブデン、残りチタン)
          合金(0.94%ニッケル、0.31%モリブデン、残りチタン)

  例: 本発明; 3穴の板
    先行技術; 1穴の板
          2穴の板
          4穴の板

  Ⅱ 数値範囲最適化
    A 先行技術条件の範囲内または繰り返し実験を通しての最適化
   境界値が臨界性(critical)あることの立証
    B 結果有効価値(Result-Effective Variable)だけを最適化
   例: 本発明;  浄化槽  槽容量/敷設面積=0.12gal./sq.
     先行技術;  浄化槽  槽容量/敷設面積が処理量に影響することに気づいていなかった。

  Ⅲ Prima Facie Obviousnessへの反論
         criticality
         new or unexpected result

2144.06 Art Recognized Equivalence for the Same Purpose
  Ⅰ 均等物との組合せ
   例: 同じ目的を成すことが分かっている均等物を第三成分として追加
  Ⅱ 均等物との置き換え
   例: 本発明; 写真現像剤 セレニウム
     先行技術; 写真現像剤 フタロシアニン
           電子写真現像において同じ目的でフタロシアニンとセレニウムとを使用

2144.07 Art Recognized Suitability for an Intended Purpose
   最適材料の選択
    求められる目的に合う材料を公知物質の中から選択することはジグソーパズルの最後のピースを嵌めるために最後のピースを探すことよりも独創的でない

2144.08 Obviousness of Species When Prior Art Teaches Genus
   Ⅰ 単一引例に基ずく、化合物の種(Species)についての審査は
   Ⅱ 発明時基準
    A Prima Facie Obviousness
     (A)先行技術の範囲内容を確定する。
  (B)争点となるクレーム発明と先行技術との相違点を確かめる。
    (C)当業者の技術レベルを確定する。
  (D)二次的考慮事項を評価する。
    Prima Facieでは立証責任が出願人に移る。
  1. 先行技術の範囲内容を確定する。
         以下の点を先行技術の中から抽出する。
  (a)属(genus)の構造、明示された種(species)または副属(subgenus)の構造
  (b)開示された属の物理的又は化学的特性および用途、
   属の有用性について提案、
   属が取り組むと主張する課題
  (c)技術の予測性
  (d)族に属する種の数、変形可能な態様

   2. 争点となるクレーム発明と先行技術との相違点を確かめる。
     3. 当業者の技術レベルを確定する。
   4. 当業者が動機付けられるか、選択するかを確定する。
  (a)先行技術の属の大きさを考慮
   属に属する種の具体的開示の数
        (b)明示的教示を考慮
   選択理由の開示
  (c)構造的共通点の教示を考慮
   物理的または化学的特性の共通点
  (d)類似特性及び用途の教示を考慮
  (e)技術の予測性の考慮
  (f)種の選択における他の教示の考慮
  5. 最終判断
   全体を考慮

2144.09 Close Structural Similarity Between Chemical Compounds (Homologs, Analogues, Isomers)
 相同物(同族体)、類似物(同類物)、異性体
Ⅰ 構造に共通点のある化合物は共通の特性を示すであろうとの予測性による拒絶
Ⅱ 相同物または異性体は他の関連事項を考慮して自明であるとの決定をする。
Ⅲ 真の相同または異性体の関係が存在する必要はない。 構造の共通性
  Ⅳ クレーム化合物の製法を先行技術が提示しているか否かは、自明性判断に影響する。
       クレーム化合物の製法が示唆されていない場合には  ??。
       クレームされた新規化合物に対して、類似化合物の製法が先行技術に記載されている場合には、??
Ⅴ 構造の共通性から特性の共通性が予測できることを基にした拒絶は、共通特性の予測が理に適っていないことを示せば克服できる。
Ⅵ 先行文献開示の化合物に具体的な用途がない場合または反応中間体としての用途しか開示していない場合には、他の理由が無い限り、クレームされた類似構造化合物に対してPrima Facie Obviousはできない。
Ⅶ より優れた又は非予測的結果を示す証拠による反論

2145 Consideration of Applicant's Rebuttal Arguments
  Ⅰ 証拠が必要な場合に、代理人の主張は??
  Ⅱ 先行技術中の追加的優位性または潜在的特性を単に認めることは??
  Ⅲ 先行技術開示のものが物理的に組み合わせられないという主張は??
  Ⅳ 先行技術を個別に反論??
  Ⅴ 組み合わせる先行技術の数に関する主張  ??
  Ⅵ クレームにない要素を主張  ??
  Ⅶ 実用上の実行不可能性を主張  ??
  Ⅷ 先行文献の開示時期に関する主張  ??
  Ⅸ 先行文献の非類似性に関する主張 ??
  Ⅹ 先行技術の組合せの論理付けの不適切さに関する主張
A 後知恵
B Obvious to try
C 組合せの動機付けが無い
D Teach away
  1. 例 本発明: エポキシ樹脂からなる回路基板
  先行文献: ポリエステルイミド樹脂からなる回路基板、
  エポキシ樹脂からなる回路基板は安定性と柔軟性を持つが、ポリエステルイミド樹脂からなる回路基板に比べると劣るとの記載。?
  2. 文献が組み合わせることに反対の教示をしているときは、
  3. 反対向きの知恵
  本発明 127℃でジフェニルスルホンをスルホン化する方法
        先行技術 低温で最適な反応が可能 高温では収率低下する。 ??

2146 35 U.S.C. 103(c)
  2004年12月10日以降に容認された全特許
  1999年11月29日以降に提出された出願
  2004年12月10日以降に係属中の出願
  

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Anticipation(MPEP2131)&Inherent(MPEP2112)

MPEPでは、AnticipationとObviousnessはどのように扱われているのか。

InherentはMPEPの2112に、その基準が記載されている。
Anticipationは MPEPの2131に、その基準が記載されている。
Obviousnessは MPEPの2141に、その基準が記載されている。

そこで、それらを順次紹介する。

Anticipation(MPEP2131)

35 U.S.C. 102. Conditions for patentability; novelty and loss of right to patent
A person shall be entitled to a patent unless
(a)the invention was known or used by others in this country,
or patented or described in a printed publication in this or a foreign country, before the invention thereof by the applicant for a patent, or
(b)the invention was patented or described in a printed publication
in this or a foreign country or in public use or on sale in this country, more than one year prior to the date of application for patent in the United States, or
(c)he has abandoned the invention, or
(d)the invention was first patented or caused to be patented, or was the subject of an inventor’s certificate, by the applicant or his legal representatives or assigns in a foreign country prior to the date of the application for patent in this country on an application for patent or inventor's certificate filed more than twelve months before the filing of the application in the United States, or **>
(e)the invention was described in — (1) an application for patent, published under section 122(b), by another filed in the United States before the invention by the applicant for patent or (2) a patent granted on an application for patent by another filed in the United States before the invention by the applicant for patent, except that an international application filed under the treaty defined in section 351(a) shall have the effects for the purposes of this subsection of an application filed in the United States only if the international application designated the United States and was published under Article 21(2) of such treaty in the English language;or<
(f)he did not himself invent the subject matter sought to be patented, or
(g)(1)during the course of an interference conducted under section 135 or section 291, another inventor involved therein establishes, to the extent permitted in section 104, that before such person’s invention thereof the invention was made by such other inventor and not abandoned, suppressed, or concealed, or (2) before such person’s invention thereof, the invention was made in this country by another inventor who had not abandoned, suppressed, or concealed it. In determining priority of invention under this subsection, there shall be considered not only the respective dates of conception and reduction to practice of the invention, but also the reasonable diligence of one who was first to conceive and last to reduce to practice, from a time prior to conception
by the other.

2131 Anticipation (便宜上、「新規性が無い」と表現する。)— Application of 35 U.S.C. 102(a), (b), and (e)
新規性がないとするためには、単一の先行技術文献に特許発明の構成がすべて明示的または実質的に記載されていなければならない。
 Anticipation≠Novelty

2131.01 Multiple Reference 35 U.S.C. 102 Rejections
下記の場合には複数の引用文献を挙げることができる。
(A)クレームされた組成物または機械と同じようなものが一の文献に記載されているときに、その一の文献に記載のことが、使用可能な開示であることを示すための別の文献
(B)一の文献で使用されている用語またはフレーズの意味を説明する(拡張するためではなく)ために使用する文献
または、
(C)一の文献に、あるものが本来持っている特性について記載がないときに、その欠如を埋めるため(該特性を持っていることの証明のため)に提出する文献。 なお、Inherent Anticipationは、本来的特性が発明時に知られていなくても、適用される。  Inherency⇒2112

2131.02 Genus-Species Situations
もし先行文献にクレーム記載の属に含まれる種が記載されていたら、属のクレームは許されない。
属の開示があっても該属に含まれる種のクレームが必ずしも許されないということではない。
種の名が明確に指定されていたときは、他の種の名がたくさん示されていても、新規性に関係ない。
名前の記載が無いある化合物(種)を、一般化学式から瞬時に連想できる(“AT ONCE ENVISAGED”)ときは、該種は該化学一般式によって新規性がない。(一般化学式から非常に多数の化合物が連想される場合は、ある種について新規性がないとは言い切れない。)

“clearly envisaging”とは、
例:当業者が一般化学式に含まれる化合物の構造式を描けまたは化合物名を書けなければならない。(一般化学式から瞬時に連想できる前に、)
例:先行文献に一般化学式のX,Y,Z,P及びR'がHまたはアルキルラジカル、RがOH基を有する側鎖であると開示されていた。先行文献は広漠とした無限数に近い化合物を含んでおり、7-メチル-9-[d,1'-リビチル]-イソアロザジンはAnticipationではない。
先行文献にさらにX,P及びR'がH、Y及びZがH又はメチル、Rが8つの特定イソアロザジンが好ましいと記載されている。
この限定は20個の化合物になり、各化合物の構造が描けまたは名を書けるに十分。
例:先行文献の塩化又は臭化アルカリ溶液は、次亜塩素酸アルカリ金属塩に対して      。
例:濃度98%硫酸を使ってアラミド繊維を製造する発明は、濃度98%と記載の無かった硫酸を使ってアラミド繊維を製造する先行文献によって     。(但し、    )

2131.03 Anticipation of Ranges
Ⅰ 先行文献の一実施例がクレームされた数値範囲内の数値を持つ場合はAnticipationである。
例:クレーム合金 Ti、Ni0.6-0.9%、Mo0.2-0.4%
   先行合金 Ti、Ni0.75%、Mo0.25%          。

Ⅱ 先行文献記載の数値範囲がクレームされた数値範囲を包含または重複している場合に、もし先行文献において十分な具体性“SUFFICIENT SPECIFICITY”を持ってそれを開示しているときはAnticipationである。この場合102/103をセットで拒絶を通知する。“sufficient specificity” は “clearly envisaging”に類似する概念である。
クレームされた数値範囲が先行技術に開示されている数値範囲と重複または包含されているが、クレームの数値範囲に包含される具体例の記載が先行技術にない場合、ケースバイケースで判断される。
例:先行文献 温度100-500℃、好ましくは150-350℃
   クレーム発明 温度330-450℃

Ⅲ 先行文献記載の数値範囲はクレームされた数値範囲に非常に接近しているが重複してない場合、Anticipationではない。

2131.04 Secondary Considerations
非予測的効果や商業的成功は102のAnticipationと関係がない。

2131.05 Nonanalogous or Disparaging Prior Art
先行技術が非類似の技術である、先行技術は本願発明とは異なる方向(teach away)に教示している、または本願発明で解決される問題を解決することに先行技術が気づいていないなどの主張はAnticipationに関係しない。
例:先行文献が、発明をけなしているdispraise場合、該発明は
例:先行文献に任意成分として記載されている場合、該成分を含む組成物は
例:通気は意味が無いと記載している先行文献に対して、十分な通気を要件とするクレーム発明は

(参考)
2132 35 U.S.C. 102(a)
2132.01 Publications as 35 U.S.C. 102(a) Prior Art
2133 35 U.S.C. 102(b)
2133.01 Rejections of Continuation-In-Part (CIP) Applications
2133.02 Rejections Based on Publications and Patents
2133.03 Rejections Based on “Public Use” or “On Sale”
2133.03(a) “Public Use”
2133.03(b) “On Sale”
2133.03(c) The “Invention”
2133.03(d) “In This Country”
2133.03(e) Permitted Activity; Experimental Use
  2133.03(e)(1) Commercial Exploitation
  2133.03(e)(2) Intent
  2133.03(e)(3) “Completeness” of the Invention
  2133.03(e)(4) Factors Indicative of an Experimental Purpose
  2133.03(e)(5) Experimentation and Degree of Supervision and Control
  2133.03(e)(6) Permitted Experimental Activity and Testing
  2133.03(e)(7) Activity of an Independent Third Party Inventor
2134 35 U.S.C. 102(c)
2135 35 U.S.C. 102(d)
2135.01 The Four Requirements of 35 U.S.C. 102(d)
2136 35 U.S.C. 102(e)
2136.01 Status of U.S. Patent as a Reference Before and After Issuance
2136.02 Content of the Prior Art Available Against the Claims
2136.03 Critical Reference Date
2136.04 Different Inventive Entity; Meaning of “By Another”
2136.05 Overcoming a Rejection Under 35 U.S.C. 102(e)
2137 35 U.S.C. 102(f)
2137.01 Inventorship
2137.02 Applicability of 35 U.S.C. 103(c)
2138 35 U.S.C. 102(g)
2138.01 Interference Practice
2138.02 “The Invention Was Made in This Country”
2138.03 “By Another Who Has Not Abandoned, Suppressed, or Concealed It”
2138.04 “Conception”
2138.05 “Reduction to Practice” 2138.06“Reasonable Diligence”

Inherency:**********************************
2112 Requirements of Rejection Based on Inherency; Burden of Proof
明示(express)、暗示(implicit)および本来生得的(inherent)な開示は102および103の先行技術になる。

Ⅰ 従来品について新しい特性、用途、機能を発見しても特許にならない。

Ⅱ 本来的特性等は発明時に気づいていたものである必要はない。
  発明後に見つかった特性であっても本来的特性等であることに変わりない。

Ⅲ 先行文献において本来的特性について言及がなくとも、該先行文献記載の技術と同一の発明に対しては102および103による拒絶をすることができる。

Ⅳ 審査官は本来的開示であることの論理または証拠を示さなければならない。
  蓋然性または可能性ではInherencyには成らない。
  例えば、ある製品を最適化すればその特性になるというのはInherentではない。
  クレームされた特性限定された組成物と、同じ組成の組成物が先行文献に開示されていた場合には、先行文献の組成物のInherentに基づく拒絶を受ける可能性がある。

Ⅴ 先行文献に開示された製品が実質的に同じであることを拒絶の基礎となし、そして審査官が本来的開示の疑いありとの証拠または理由を示した場合には、非自明な相違点があること(先行文献の製品がクレームした特性を持っていないことの証拠または理由)を示す責任が出願人に移る。
例えば、合金は組成が同じでも特性が異なることがある。この場合は、出願人は立証要。
製法規定の製品(Product by Process)の特許について、審査官が先行文献記載の製品と同じとなる疑いありの拒絶をした場合には、出願人に相違点があることを示す責任が移る。
 立証責任の負担はPrima Facie Obviousnessの拒絶も同様。

2112.01 Composition, Product, and Apparatus Claims
Ⅰ Product, and Apparatus Claims
  先行文献に開示された構造または組成が、特性や機能で限定されたクレーム発明の構造または組成と実質的に同じである場合は、Inherentであると推定する。
  同じ製造法で得られたものも、Inherentであると推定する。 →Prima Facie Case

Ⅱ Composition Claims
  化学組成物が物理的に同じである場合は同じ特性を持っているに違いないので、Inherent。

Ⅲ Product Claims
印刷物に開示された製品の機能がクレーム製品に関係のないものであっても、先行製品とクレーム製品とを区別することはできない。
例:クレーム発明のキットが説明書と緩衝材を必要とするものであるとき、先行文献にキットが説明書と緩衝材を含むことが記載されていれば、説明書の内容がクレーム発明のものと異なっていてもInherentである.

2112.02 Process Claims
Ⅰ Process claims
先行技術に装置があった場合に、その装置を通常の操作で実行されたときの製法をクレームしたものはAnticiationである。
明細書に記載されたクレームされた製法を実施するための装置が、先行技術の装置と同じである場合には、同じ製法が行われInherencyであると推定する。
例:急速に冷却する工程を含む製法全体は、先行文献に記載があった。クレームには冷却工程によってできた物の特性(X線回折)が示されていた。しかし、権利者は先行文献の冷却工程でできた物のX線回折が相違することを示すことができなかった。この冷却工程は通常の操作によるものであるとしてInherentであるとされた。

Ⅱ Process of Use Claims
古い装置または組成物を、新しいまたは非自明な方法で使用するのは、特許性があるかもしれない。
装置または組成物に知られていなかった特性に基づく使用方法は特許可能である。ただし、知られていた使用方法で新たな特性が分かったという場合は特許可能とはならない。

2113 Product-by-Process
製法の各工程は、先行物質との区別をするのに意味を持たない。出来上がった物質の構造の相違が重要。

2114 Apparatus and Article Claims — Functional Language
装置発明は、構造によって先行装置と区別する。
装置の操作方法の相違は、先行装置との区別をするのに意味を持たない。
構造が異なっていれば、たとえ、先行装置が特許装置と全く同じ作用をするものであっても、Anticiationにはならない。

2115 Material or Article Worked Upon by Apparatus
装置発明において、その装置に用いるまたはその装置で得られる物質の限定は、先行装置との区別をするのに意味を持たない。

2116 Material Manipulated in Process
製法発明の特許性判断においては、製法の実行に関る物質に重きをおく。
2116.01Novel, Unobvious Starting Material or End Product
従来の製法において、新しいまたは非自明な出発物質を使用または新しいまたは非自明な生成物質を得る製造方法についてクレームしている場合。
クレームを総合的に考慮して判断(fact-dependent Analysis)

(参考)
2121Prior Art; General Level of Operability Required to Make a Prima Facie Case
2121.01Use of Prior Art in Rejections Where Operability Is in Question
2121.02Compounds and Compositions — What Constitutes Enabling Prior Art
 Ⅰ 化合物の製法が発明日前に発見されていなかった場合には、化合物名が記載されていたとしても先行開示とはならない。operabilityであることが推認できる場合は、
 Ⅱ 化合物の製造の試みに成功していなかった場合には
   製造を試みなかったという場合は

2121.03Plant Genetics — What Constitutes Enabling Prior Art
2121.04Apparatus and Articles — What Constitutes Enabling Prior Art
2122Discussion of Utility in the Prior Art
2123Rejection Over Prior Art's Broad Disclosure Instead of Preferred Embodiments
2124Exception to the Rule That the Critical Reference Date Must Precede the Filing Date
2125Drawings as Prior Art
 比率
2126Availability of a Document as a “Patent” for Purposes of Rejection Under 35 U.S.C. 102(a), (b), and (d)
2126.01Date of Availability of a Patent As a Reference
2126.02Scope of Reference's Disclosure Which Can Be Used to Reject Claims When the Reference Is a “Patent” but Not a “Publication”
2127Domestic and Foreign Patent Applications as Prior Art
2128“Printed Publications” as Prior Art
2128.01Level of Public Accessibility Required
2128.02Date Publication Is Available as a Reference
2129Admissions as Prior Art

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October 06, 2008

訂正請求と訂正審判の請求との相違 ~最高裁 平成19年(行ヒ)318 20.7.10判決

(背景)
特許第3441182号本件特許(請求項1~4に係る特許)に対し特許異議の申立てがされ,特許庁に異議事件として係属したところ,同事件の係属中の平成17年12月7日,特許権者は,特許法旧120条の4」の規定に基づき,願書に添付した明細書の特許請求の範囲の訂正を請求した(以下,この訂正を「本件訂正」という。)。本件訂正は,特許請求の範囲の請求項1を訂正する訂正事項a,同2を訂正する訂正事項b,同3を訂正する訂正事項c,同4を訂正する訂正事項dから成り,訂正事項aは特許請求の範囲の減縮,同bは明りょうでない記載の
釈明を目的とするものであると特許権者は主張した。
 特許庁は、訂正事項bは,特許請求の範囲の減縮,誤記又は誤訳の訂正,明りょうでない記載の釈明のいずれをも目的とするものでなく,また,特許請求の範囲を実質上拡張するものであるから,特許法旧120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法126条1項ただし書又は2項の規定に適合しない。よって,その余の訂正事項について判断するまでもなく,訂正事項bを含む本件訂正は認められない。よって訂正前の特許は取り消すとの審決をなした。
 特許権者は審決取消訴訟を起した。
 高裁は、本件決定は,訂正事項bが訂正の要件に適合しないことを理由に,他の訂正事項について判断することなく,本件訂正の全部を認めなかったものであるが,その判断に違法があるということはできないと認定し、本件決定の取消しを求める上告人の請求を棄却した。その根拠として、最高裁昭和53年(行ツ)第27号,第28号同55年5月1日第一小法廷判決(民集34巻3号431頁参照)を示した。該最高裁判決では「その訂正が特許請求の範囲に実質的影響を及ぼすものである場合には,請求人において訂正(審判)請求書の訂正事項を補正する等して複数の訂正箇所のうち一部の箇所について訂正を求める趣旨を特定して明示しない限り,複数の訂正箇所の全部につき一体として訂正を許すか許さないかの審決又は決定をしなければならず,たとえ客観的には複数の訂正箇所のうちの一部が他の部分と技術的にみて一体不可分の関係になく,かつ,一部の訂正を許すことが請求人にとって実益のあるときであっても,その箇所についてのみ訂正を許す審決又は決定をすることはできないと解するのが相当である。と述べている。
 特許権者は上告した。

(最高裁の判断)
特許取消の決定を取り消すとの判決をした。
 (1)特許法は,
 A)一つの特許出願に対し,一つの行政処分としての特許査定又は特許審決がされ,これに基づいて一つの特許が付与され,一つの特許権が発生するという基本構造を前提とし複数の請求項を一体不可分のものとして取り扱う規定と、
 B)複数の請求項に係る特許ないし特許権の一体不可分の取扱いを貫徹することが不適当と考えられる一定の場合には,特に明文の規定をもって,請求項ごとに可分的な取扱いを認める旨の例外規定を置いている。
 たとえば、特許法旧113条柱書き後段が「二以上の請求項に係る特許については,請求項ごとに特許異議の申立てをすることができる。」と規定するのは,そのような例外規定の一つにほかならない(特許無効審判の請求について規定した特許法123条1項柱書き後段も同趣旨)。
 (2)訂正審判に関しては,特許法旧113条柱書き後段,特許法123条1項柱書き後段に相当するような請求項ごとに可分的な取扱いを定める明文の規定が存しない上,訂正審判請求は一種の新規出願としての実質を有すること(特許法126条5項,128条参照)にも照らすと,複数の請求項について訂正を求める訂正審判請求は,複数の請求項に係る特許出願の手続と同様,その全体を一体不可分のものとして取り扱うことが予定されているといえる。
 (3)一方、特許法旧120条の4第2項の規定に基づく訂正の請求(以下「訂正請求」という。)は,特許異議申立事件における付随的手続であり,独立した審判手続である訂正審判の請求とは,特許法上の位置付けを異にするものである。訂正請求の中でも,本件訂正のように特許異議の申立てがされている請求項についての特許請求の範囲の減縮を目的とするものについては,いわゆる独立特許要件が要求されない(特許法旧120条の4第3項,旧126条4項)など,訂正審判手続とは異なる取扱いが予定されており,訂正審判請求のように新規出願に準ずる実質
を有するということはできない。そして,特許異議の申立てがされている請求項についての特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正請求は,請求項ごとに申立てをすることができる特許異議に対する防御手段としての実質を有するものであるから,このような訂正請求をする特許権者は,各請求項ごとに個別に訂正を求めるものと理解するのが相当であり,また,このような各請求項ごとの個別の訂正が認められないと,特許異議事件における攻撃防御の均衡を著しく欠くことになる。
 (4)以上の諸点にかんがみると,特許異議の申立てについては,各請求項ごとに個別に特許異議の申立てをすることが許されており,各請求項ごとに特許取消しの当否が個別に判断されることに対応して,特許異議の申立てがされている請求項についての特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正請求についても,各請求項ごとに個別に訂正請求をすることが許容され,その許否も各請求項ごとに個別に判断されるものと考えるのが合理的である。
 (5)最高裁昭和55年5月1日第一小法廷判決は,いわゆる一部訂正を原則として否定したものであるが,複数の請求項を観念することができない実用新案登録請求の範囲中に複数の訂正事項が含まれていた訂正審判の請求に関する判断であり,その趣旨は,特許請求の範囲の特定の請求項につき複数の訂正事項を含む訂正請求がされている場合には妥当するものと解されるが,本件のように,複数の請求項のそれぞれにつき訂正事項が存在する訂正請求において,請求項ごとに訂正の許否を個別に判断すべきかどうかという場面にまでその趣旨が及ぶものではない。
 (6)特許異議申立事件の係属中に複数の請求項に係る訂正請求がされた場合,特許異議の申立てがされている請求項についての特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正については,訂正の対象となっている請求項ごとに個別にその許否を判断すべきであり,一部の請求項に係る訂正事項が訂正の要件に適合しないことのみを理由として,他の請求項に係る訂正事項を含む訂正の全部を認めないとすることは許されないというべきである。
 (7)本件決定は,請求項2に係る訂正事項bが訂正の要件に適合しないことのみを理由として,請求項1に係る訂正事項aについて何ら検討することなく,訂正事項aを含む本件訂正の全部を認めないと判断したものである。これを前提として本件訂正前の特許請求の範囲の記載に基づいて特許発明の認定をし,請求項1に係る部分を含む本件特許を取り消した本件決定には,取り消されるべき瑕疵があり,この瑕疵を看過した原審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

(無効審判中の訂正請求はどうなるか?)
 本件は、旧法における特許異議申立事件における訂正請求の扱いを判断したものであるが、特許無効審判請求事件における訂正請求(特許法134条の2)の扱いも同様に扱われるのではないかと考える。なぜなら、上記最高裁の認定理由と同様に,
 134条の2の訂正請求は、特許無効審判請求事件における付随的手続である。
 訂正請求の中でも,特許無効審判請求されている請求項についての特許請求の範囲の減縮を目的とするものについては,いわゆる独立特許要件が要求されない(特許法134条の5,126条5項)。
 特許無効審判請求がされている請求項についての特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正請求は,請求項ごとに請求をすることができる特許無効審判請求に対する防御手段としての実質を有するものである。
 特許無効審判請求事件中において訂正請求をする特許権者は,各請求項ごとに個別に訂正を求めるものと理解するのが相当であり,また,このような各請求項ごとの個別の訂正が認められないと,特許無効審判請求事件における攻撃防御の均衡を著しく欠くことになるからである。
 よって、上記最高裁の認定と同様に,訂正の対象となっている請求項ごとに個別にその許否を判断されることになると考える。
以上。
 

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September 22, 2008

韓国特許法改正案 2008

改正法案は2つからなり、改正法案(I)は国内事情によるもの、改正法案(II)は韓米FTAに関連するものである。

改正法案(I)の主な内容:

ア.特許出願明細書または図面の補正に対する制限を緩和(第47条)
  最後の拒絶理由の通知後の明細書または図面の補正で、明細書に記載した特許請求の範囲を減縮した場合は、実質的変更とはみなさないとする。

イ.再審査請求制度を導入(第67条の2 新設)
 拒絶査定後、明細書または図面の補正と同時に、再審査を請求できるようにする。この請求で審査官が再審査を行う。再審査を請求した場合は先の拒絶決定は取り消しになったものとみなされる。
 補正をしない場合は再審査を経ずに審判を請求する。
 再審査により拒絶査定となった場合は不服審判を請求できるが補正の機会は与えられない。

ウ.分割出願が可能な時期の拡大(第52条)
 絶決定謄本の送達後30日以内にも分割出願が可能
 特許決定謄本の送達後の分割出願は不可

エ.追加納付料の区分制度の導入(第81条第2項、第81条の2第3項)
  (1) 特許料の納付期間が経過して特許料を追加納付する時の納付金額を一律2倍から、特許料の2倍以内の範囲で知識経済部令に定める金額に基づいて区別して納付できるようにした。

オ.報償金の支給請求権などに関する国際公開の効力と国内公開の効力の統一化 (第207条)
   韓国語で出願した国際特許出願人は、国際公開があった後、その国際公開された発明を業として営んだ者に対し報償金の支給を請求できるようにし、国際公開時に韓国語で国際特許出願された発明が韓国内で公開されたことと見なす。

改正法案(II)の特許法関連の主な内容:
(1)存続期間の調整
 出願日から4年または審査請求後3年より遅延して特許権の設定登録がなされた場合、遅延した期間と同程度存続期間を延長する。

(2) 新規性喪失の例外規定の適用期間を12ヶ月に延長する。

(3) 秘密維持命令制度の導入
 侵害訴訟と関連して必要な情報が営業秘密である場合、裁判所が訴訟当事者等に秘密維持を命じることを可能とする。

以上(情報元:JETRO)

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